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「っ……わぁ、」
酒場の扉を開いて、眩しさに目を細める。
今日は初めて、外に出る日だ。
「また今度」と約束した通り、
死柄木は彼女の鎖の跡がほとんど消えた頃に許可を出した。
楽しそうに笑う彼女とは対照に、
死柄木の表情は暗い。
死柄木が壊した彼女の左腕は、
ヒビが入ったまま治らなかった。
死柄木が着せた黒いパーカーの袖から見える包帯に、
死柄木は目を逸らした。
「わ、わ………！」
彼女は歓声を上げながら死柄木を振り返った。
何気無い日常の一つ一つに、
目が離せないと言わんばかりに目を輝かせている。
_____死柄木は彼女を見ながら考えていた。
ヒーロー殺し。
信念なき殺意。
俺とアイツの違い。
先日彼女と合わせたトガというガキだって、
合わせてない荼毘とか言う奴も、
うざくてうざくて仕方がない。
Aの前だからという理由で、
そういう態度を見せなかっただけで。
ここの数日間、
死柄木は大分イライラしていた。
「とむらくん！はやく、はやくいこ」
無言のまま立つ死柄木を、
彼女は子供のようにはしゃいで、
しきりに死柄木の裾を引っ張る。
はいはいと返事をして、
あまり目立たせたくないから、
死柄木と揃いのパーカーのフードを深く被せた。
彼女の手を左手で握る。
もちろん、薬指にはしっかりと包帯を巻いて。
右手はもしものために、包帯を巻かなかった。
人通りの多い通りを歩いているときも、
彼女は興奮して口が止まらなかった。
「あの人、すごいきらきらしてる」
「…ずいぶんと主張の激しい個性だな」
「テレビ中継してる、なにかあるのかな」
「さあ…インタビューとか何かじゃない？」
そのひとつひとつに死柄木は返事をする。
とりとめの無い話をしながら、
賑わっている商店街を渡り歩く。
はぐれないように、手はしっかり握って。
「とむらくん、おなかすいた」
ごはんたべよ、と彼女が指差す先には、
ガヤガヤと騒がしいショッピングモールだった。
何でこんなチョイスを、と呆れながら、
仕方なく手を引く彼女に釣られて入っていく。
道行く家族や子供が、
甲高い笑い声をあげてすれ違っていく。
みんな幸せだと言わんばかりの奇声に、
いらいらする。
「見て、あのハンバーガーおいしそうだよ」
彼女の声でさえ、耳に入らなかった。
ふと1人の少年が目に入る。
緑の髪、そばかす顔。
死柄木の疑問に、答えてくれるかもしれない奴。
緑谷出久。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
