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入学したての頃。
午前の授業が終わり、
昼休みになった。
爆豪はふらふらと、その時は何となく、
学校の中を歩いていた。
「Aさんだよね」
聞き覚えのある名前が呼ばれて、
ふと足が止まる。
曲り廊下を覗くと、
静かな廊下で、彼女は呼び止められていた。
その正面には、2年生の男子が立っている。
「はい、」
Aは静かに微笑んでいた。
彼女の表情は、いつも変わらなかった。
それが何となく、ヘラヘラしているように見えて、
爆豪は気味悪かった。
「オレ、君と仲良くなりたくて」
にこやかに差し出される手のままに、
彼女は少し迷って、握手をした。
だけど暫く経っても、その手は離されなかった。
あの、と困惑してる彼女の手をぐっ、と握ったまま、
先輩はにこやかに言った。
「今度ご飯でもどうかな」
離さない手に、笑顔なのに有無を言わぬ口調。
いつも微笑みを崩さない彼女が、
痛い、と顔をしかめた。
これは、反吐が出るヤツだ。
そう思った時には、身体が動いていた。
爆発音と共に先輩が吹き飛ぶ。
驚いていたまま固まっているAの手を握り、
「逃げるぞ、」
「え？あ、」
先輩は、と言われて振り返ると、
廊下の端でのびているのが見えた。
爆発音に、先生達が駆けつける声が聞こえる。
個性の無断使用は駄目だ。
しかも、人に向けるのは。
爆豪はぜんぶ駄目なことをした。
私欲からでは無いとしても、規則は規則だ。
2人で共に廊下を駆けた。
階段をいくつか降りて、
校舎裏まで走った。
「っは、ぁ……」
ここまでくれば、良いだろう。
爆豪は彼女の手を握ったままだと気付いて、離した。
ふと顔を上げる。
彼女は息を切らしながら、
身体を揺らして、楽しそうに笑っていた。
普段の気味が悪い静かな微笑とは違って、
向日葵が咲いたような、明るい笑顔だった。
思わず、爆豪は彼女を見詰める。
彼女は爆豪に笑顔を向けた。
「かつきくん、ありがとう」
ちょっとヒヤヒヤしたね、と明るく言う彼女に、
口を継いで出たのは、脈絡の無い言葉だった。
「俺は最強のヒーローだ」
「助けンのは、当たり前だろ」
彼女は爆豪の言葉に瞬きすると、
また笑った。
「っふ、んふ、うん、そうだね」
笑いを堪えきれないまま、彼女は言った。
悪戯っぽく。楽しそうに。
「私も、そう思う」
「……おう、」
帰ンぞ、授業に遅れる。
話を逸らす様に爆豪は彼女を置いて歩き出す。
耳が、燃えるように熱かった。
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華羅夢(プロフ) - ぽいぽいさん» 何ですって！！ぜひ死柄木くん推しになってくださいな！！彼は魅力的な男です！！コメント嬉しいですありがとうございます････！ (2021年9月19日 8時) (
レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - この作品で死柄木くん推しに傾きつつある…好きです応援してます頑張ってください!（ノンブレス） (2021年9月19日 7時) (レス) id: 1142a6ee8a (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - れのまるさん» うわああありがとうございます･･････！コメントが1番のモチベになるのですごく嬉しいです！頑張りますね！ (2021年9月14日 14時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
れのまる - 死柄木さん最推しなのでこの作品めっちゃ好きです…！これからも応援してます！ (2021年9月14日 7時) (レス) id: ce403bbca4 (このIDを非表示/違反報告)
華羅夢(プロフ) - しいたけさん» しいたけさん、もしかしなくても2回目のコメントですか･････････？コメント来るのが1番嬉しいので、大喜びで話を書いてしまいました！楽しんで頂けて何よりです！！ありがとうございます！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 89a4c751b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華羅夢 | 作成日時：2021年8月23日 1時
