…蓬菊に触れて【アナタシア】

〔16〕デート ページ17

芝健SIDE
どういう事だろう。“勘違い”とは言っていたが、これが違うというと…

芝健「？」
『2人、兄妹じゃなさそうだし…』

まり「兄妹や。」

芝健「え！？兄妹なの！？」

とてもそうには見えなかった。たしかに、どこか似てるような気もしていたが…

『でも、身長がほぼ同じ…』
まり「駄目なんか？」
『いや、そういう訳じゃ…』
芝健「いやいや！？は、初めて聞いたんだけど！？」
まり「必要以上に話さんでもええやん。」
芝健「いや…夫婦…」
まり「あ？」
芝健「すみません。」

なるほど。これで納得。

まり「でも、こういうの困るねんて…」
海空「何が？」
まり「“今日1日名前で呼んで”て急に言われるもんやから…」
海空「ええやん！カップルっぽいやん！」

まり「いや姉さん…」

『ね、姉さん！？！？』
まり「？何や。まだなんかあるんか。」
『いや、ね、“姉さん”って、海都弟なの？』
まり「せや。なんかおかしいか。」

俺もてっきり妹だと思った。

『あの、その、失礼なんですが、お姉さんの方は…何歳ですか？』
海空「私？22。」
『えぇぇぇえ！？！？まだ学生かと思った…』
海空「あら、嬉しい事言ってくれるなぁ。」
『でも本当、双子って言ってもバレませんよ！』
海空「あなた、海都の彼女？？」
『ふえ？？？？』
まり「はぁ？」

え？

海空「いいわよ、許す！尾行してきたから、ウザめのデレデレ彼女演じたけど、それに動じない女…いいね！かっこいい！」
まり「あ、あの、ね、姉さん？？かか、勝手に話進めないでくれます？」
海空「可愛いねー見た目に反して…“ギャップ萌え”って奴だな？好きだよ！そういうの！」
まり「いや、だから姉さん！」
海空「海都も幸せ者だねぇ。」
まり「こいつが彼女なんて考えられへんよ…」
芝健「…俺…、…ら……し…いな…」
『何て言ったんですか？健先輩。』
芝健「な、何でもない！！」
『？そうですか…』
海空「いつか遊びにおいで！」
『本当ですか！？ありがとうございます！！』
まり「嘘やて！！絶対来るな！！！！！」
海空「海都、あんた、ーーーーーーーーーー」
まり「！？！？！？！？！？！？」
『え？どうしたの？』
まり「何でもない！！てか、近づくな！！！」

こうして俺達の、無駄そうで無駄ではなかった1日が終わった。

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