元カレとの動画がバズりました【宮侑】

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「 マジすか 」

「 マジだよ 」


経緯と状況を事細かに説明してもらった数秒後、俺は感嘆詞を述べる他無かった。

顔に出ないだけで、自分的にはここ数ヶ月1のビックリイベント発生中なのだが。

そんな俺の心境を知らず「リアクション薄！？」とオーバーな反応をとる木葉さんとは反対に、当の本人である赤葦さんは至って冷静だった。


「 ていうかそんなにあっさり認めちゃっていいんすか？ 」


「 いいよ別に。隠してる訳でもないからね。
それに、後々バレた方が面倒くさそうだし 」


「 あんた結構そういうとこありますよね。
サラッと失礼な感じ 」



俺は赤葦さんの中で厄介な後輩だと思われているのだろうか。
彼は尊敬しているし、他の先輩に比べてもあまり迷惑はかけてないつもりなのだが。



…思い当たる節がすぐに脳内を駆け巡ったので今の発言は取り消させて頂くことにする。


でも、確かに赤葦さんが一目惚れなんて意外だ。


「 ( 苗木にバレるなんて想定外だった。
…木兎さんにバレるよりはマシか……いやそう変わらないな…… ) ｣


赤葦さんも男なんだな〜と失礼なことを考えつつ、
赤葦さんは赤葦さんで俺に対して辛辣なことを考えているとは梅雨知らず、
衝撃が過ぎ去った俺は赤葦さんに提案をする。



「 なら赤葦さん。会います？ 」


「 …会うって？ 」


「 決まってるじゃないすか、姉貴ですよ 」


何となく、姉貴と赤葦さんの相性はいい気がする。

多分顔だけで言っても、赤葦さんの顔はミーハーな姉貴の好みど真ん中だと思うし( だって俺が好きな顔だから ) 難攻不落に見えて結構チョロいのが姉貴だ。

基本優しくしてくれる人が好き、自分を好きな人が好きのスタンスだった気がする。


" どうも弟クン。
Aの彼氏の宮侑言います〜 "


" ( なんだコイツ、うさんくさ ) "


元々、宮侑と付き合うことには反対派だったんだ。
ある事件を皮切りに、それは加速さえした。


" 姉貴さぁ、まだ引き摺ってんの？ "

" まさか、全然？むしろせいせいしてますね "


あんな未練満々な態度で、よくもまあ「もう吹っ切れたよ 」だなんて笑う。

ぶっちゃけ、今でも苗木Aの心は宮侑に囚われまくりなのだ。

中途半端じゃダメだ。
ちゃんと変われるきっかけさえ作れば。


" 毎年恒例の合宿の日程だが__ "


「 俺に、いい考えがあるんです 」


[ 姉貴、さっきの話だけど
夏休み2週間くらい空けられない？ ]




宮侑のことなんて、吹っ切れてしまえばいい。

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