22,説教。 ページ25
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「だいたい手前ら何歳だ!?そんな餓鬼な会話して恥ずかしくねェのか!」
部下の目の前で説教されて早数分。
芥川とAは自分より小さい奴にくどくど説教されていた。
『はいはい反省してますぅ』
「僕は部下へ教育を施したまでですが?中也さん」
「だから餓鬼か手前らはァ!」
また乾いた音が響き、ハリセンが二人の頭をまた叩いた。
「Aはもっと上司に敬意をもて!芥川も芥川でそんなムキになるな!」
仁王立ちで怒鳴られるのに飽きてきたA。
芥川はもう別のことを考えているように見える。
『あ、もうこんな時間だ。お昼ごはーん』
中也の説教タイムからなんとか逃れようとして背を向けると何かに足を引っ張られた。
「元凶のお前が先に帰るな」
元を辿ればそれは羅生門。
Aは舌打ちをして羅生門から足を抜こうとする。
すると案外容易に足に絡んでいた羅生門は解けた。
『…………』
ぶきっちょな顔をしてからAは芥川を見た。
恐らく仕事のことでも考えていそうなその目つきを見てから、芥川の手を引っ張った。
「…何をする愚か者」
『中也ー、この通り仲直りしたからー、ばいばーい』
「ちょ、まだ話は終わって……」
何か言う中也を残し、Aは芥川の手を引っ張って行った。
『ああもうめんどくせ』
「元凶は貴様だ」
『うるせえ』
少し遠くに来てからもこんな会話を繰り返す二人。
通り掛かる人はあまりいないので、存分に話せそうだとAは思った。
しかし、今はどうしてもそんな気分になれず、ただ繋いだ手を離さないと言わんばかりに握っていた。
「そんなに握らずとも僕は居なくならぬ」
『握ってない!センパイこそ握ってるくせに!折れる!骨折れる!』
「そうか、ならば都合がいい」
『なんだと!?』
また繰り返す会話だったが、初めて二人が会ったときと全く違う点があった。
二人とも、何処か楽しげに話していた。
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芥川様LOVE - 芥川様可愛い好き作者様有難う御座います一生付いていきます (2019年11月16日 14時) (レス) id: 40c6fc2ce8 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - 銀色ミカンさん» ありがとうございます!!新作もちまちま更新頑張っているので! (2016年12月1日 23時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - 笑いながら読みました。とまとさんの書く芥川かわいいです! (2016年12月1日 17時) (レス) id: 8b3f2e95f6 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - あんこさん» 貴方とは話が合いそうですね((キリッ。ありがとうございます!!私はやつがれ小説製造気なので、また新しい作品作りました!ぜひ読んでみてください! (2016年11月29日 22時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - うわあああああんめっちゃ可愛いですうううううう!!!私やつがれ大好きでほんとこんなやつがれちゃんも愛しい…!やつがれちゃんは神と言えるほどのガチ勢で御座います!← もうほんとうへへへって言いながら見てました可愛い無理…ありがとうございます… (2016年11月27日 6時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
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