17,一瞬。 ページ19
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しかし、そんな冷や汗も一気に退く出来事が起こる。
刹那、黒いプラズマのようなものがそのおじさんへ直撃した。
2mは離れていただろうこの距離でも、Aの足元に赤いものがついていた。
そしてこのような現場慣れしていないAにとっては具合が悪くなるのも無理はない。
そっちを見ないように急いで背を向けて遠ざかる。
「ろくに仕事も出来ない奴がさらに迷惑をかけるか」
忘れたくとも忘れられないあの声が聞こえた。
よく見ると黒外套から真っ黒な何かがその男に噛みついているではないか。
『最悪…なんでお前いんの…』
「貴様の仕事が遅いから様子を見に来た」
『バカ!クズ!アホ!過保護!余計なお世話だ!』
罵声を散らしながらも、Aは芥川に駆け寄った。
頭突きをしようとしてるのがお見通しな芥川は、その小さな頭を軽く手で止めた。
「僕が来ていなかったらどうなっていたか想像してみろ」
『知らないね』
すると後頭部を掴まれ、とすん、と芥川の胸に顔をうめるような体制になった。
しかしそれはコンマ数秒の出来事だった。
『まあいいよ、あのオッサン気持ち悪かったし』
口元を服の袖で覆いながらAは吹っ切れたように言った。
「今回は貴様の不注意だ。この間の宴会でこいつが熱烈な視線を送ってたのに気づかないお前のな」
『おお、こいつが太宰さんの言ってた…』
その瞬間に、芥川の顔が歪んだ。
「貴様、今何と?」
感情の読めない声で芥川は問うた。
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芥川様LOVE - 芥川様可愛い好き作者様有難う御座います一生付いていきます (2019年11月16日 14時) (レス) id: 40c6fc2ce8 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - 銀色ミカンさん» ありがとうございます!!新作もちまちま更新頑張っているので! (2016年12月1日 23時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - 笑いながら読みました。とまとさんの書く芥川かわいいです! (2016年12月1日 17時) (レス) id: 8b3f2e95f6 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - あんこさん» 貴方とは話が合いそうですね((キリッ。ありがとうございます!!私はやつがれ小説製造気なので、また新しい作品作りました!ぜひ読んでみてください! (2016年11月29日 22時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - うわあああああんめっちゃ可愛いですうううううう!!!私やつがれ大好きでほんとこんなやつがれちゃんも愛しい…!やつがれちゃんは神と言えるほどのガチ勢で御座います!← もうほんとうへへへって言いながら見てました可愛い無理…ありがとうございます… (2016年11月27日 6時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
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