マフィアに生意気な奴いるので、とりあえず嫌がらせしよう。【芥川龍之介】

12，出会い。 ページ14

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『うひょ〜、久しいな愚民どもー♪』





雲１つ無い真っ青な空、それを照らす太陽。



Aはとても嬉しそうに息を吸った。


そしてヨコハマの町へと歩き始めた。




＊＊＊



お店を見て回るだけでも楽しいヨコハマがAは好きだった。



父と母が外国へと行ってしまい、残ったAはポートマフィアへ行くことになる。


嫌なことではなかったし、なにしろ傲慢な性格のAにとっては自由になったと確信したときだった。


案の定行ってみれば皆いいやつだった。


樋口、立原、銀、広津、梶井、中原、エリス、森、紅葉……


皆、新人の顔を見に来て挨拶をしていった。


夢野久作という少年にはまだ会っていないが、それは森が説明してくれたためAも理解した。





一人だけ、挨拶も何も無しにAの横を通りすぎる奴がいた。


それからだ、Aが芥川に嫌がらせするようになったのは。



少し昔の事を思い出しつつ、Aは歩いていた。




と、その途端誰かにぶつかった。



相手は長身の男。

驚いてしりもちをついたAと目線を合わせるようにして謝ってきた。





『あ、大丈夫』




いつもの癖で敬語が使えないA。


長身の男はそんな事気にせずこう言った。




「君はとても美しい……ぜひ私と心中していただけないだろうか」




爽やかな笑顔で男は言い放った。

Aはきょとんとしてから頭にどんどん「？」マークを浮かべ、




『心中ってなに？』





そう言ったのだ。



直後、男は肩をがくりと落として苦笑いをした。



＊

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