10,幼女。 ページ12
・
Aが部屋を出て角を曲がった時だった。
「A」
『お、エリスチャン』
赤い花弁のようなドレスに、透き通るような瞳を持つあの幼女が目の前にいた。
しかしその姿はいかにもAを待っていました、という感じである。
『何か用ー?』
「その……具合、悪くないの?」
大方仕事かと思ったが、エリスの口から出てきたのは予想外の言葉だった。
『何故に?』
「や、やっぱり何でもないわ!あ、リンタロウがこれAに届けてって!」
戸惑ったようにそっぽを向き、何らかの書類を渡された。
見たところ仕事のようなので、やはりかとAは思うのだが、先程エリスの言った、
「具合、悪くないの?」
がどうしても引っ掛かる。
最近は特に怪我をしたわけでもないし、風邪をひいた覚えもない。
『あんがとーねー』
「ばいばーい!」
はにかんだように笑う彼女はかわいい。
見送ってから書類に目を通すと、そんな殺しなどの仕事ではないようだった。
『雑用係ですかー、そうですかー』
通りすがりの部下を横目にAは言った。
ギクリ、と一瞬動きが停止した部下だったが、また何事もなかったように歩き始めた。
(まずは朝ごはん食べなきゃ)
心の中で小さく呟き、歩き始めた。
*
221人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芥川様LOVE - 芥川様可愛い好き作者様有難う御座います一生付いていきます (2019年11月16日 14時) (レス) id: 40c6fc2ce8 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - 銀色ミカンさん» ありがとうございます!!新作もちまちま更新頑張っているので! (2016年12月1日 23時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
銀色ミカン - 笑いながら読みました。とまとさんの書く芥川かわいいです! (2016年12月1日 17時) (レス) id: 8b3f2e95f6 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわ とまと - あんこさん» 貴方とは話が合いそうですね((キリッ。ありがとうございます!!私はやつがれ小説製造気なので、また新しい作品作りました!ぜひ読んでみてください! (2016年11月29日 22時) (レス) id: ac53bb1069 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - うわあああああんめっちゃ可愛いですうううううう!!!私やつがれ大好きでほんとこんなやつがれちゃんも愛しい…!やつがれちゃんは神と言えるほどのガチ勢で御座います!← もうほんとうへへへって言いながら見てました可愛い無理…ありがとうございます… (2016年11月27日 6時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ