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tn side
昼食を終え、また勉強ブースに戻ってきた俺たちは再び教材を開いた。
俺はさっきから数学の演習をしている。いつもならこれっぽっちも楽しくないし、【やらなきゃ】っていう使命感からテスト前勉強をしているのだが、今日はわけが違う。
横にAさんがいるのだから、だらけてられない。好きな子の前でカッコよくいようとするのは男なら当然だろう。
こっそり横をみると、彼女は髪を耳にかけて必死にテキストとにらめっこをしていた。
悩んでいるところ申し訳ないが可愛いしか出てこない。無意識に写真を撮っていた。無意識だからセーフ……何がセーフかは知らんけど。
何かをひらめいたらしく筆を進める彼女を見て俺もようやく集中し始めた。
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『トンち』
「んﾞっ！？」
『ここわからへん教えてって鬱からL○NEきました』
なんや大先生かい…一瞬めっちゃドキッとしたわときめき返せアホ。
ってか俺に直接L○NEしてこいよとツッコんだところで思い出した。あいつ、俺が生徒会の書類提出を催促するL○NEしてから未読スルーしてるんやった。
「あとでなって送ったって」
『了解です』
「……ここにシャーペン置いてくれへん？」
『？はい』
俺は一応常識人枠で、いつもあいつらみたく好き勝手できてへんねんからこれくらいさせてほしい。
俺のシャーペンとAさんのを並べて写真を撮った。
「なんかそれっぽいやろこの写真」
『いかにもリア充ってかんじですね。その写真後で送ってください』
「ん」
生徒会男子グループに今撮った写真を送り、【Aさんと勉強会なう】とメッセージを付け加える。
即既読がつき、脅威からすごい罵詈雑言を浴びせられた。しかし俺はデート中。防御力∞をナメないでほしい。
「遮って悪かったな。ほな勉強再開しよか」
『あ、ここ質問いいですか？』
「おん」
………決して下心があるわけではないが、距離があまりにも近い。Aさんはめっちゃ冷静に俺の話聞いてくれてるけど俺は全然冷静じゃない。
自分でも何言ってんのかわからんくなってきたけど彼女は理解してくれたらしく、【ありがとうございます】と有料級の笑顔を見せてまた真剣に解き始めた。
やばい集中できひん。
どうしても赤くなってしまう顔を隠すべく俺は机に伏した。
……いつのまにか眠ってしまったようだ。
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作者名：算数にがて作者 | 作成日時：2020年8月15日 12時
