並盛の土地神 (ページ11)

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11話ページ11

「どうしても？」
「しつこいですね、ダメなものはダメなんです」

綱吉は何度も何度も家を教えてくれないかと尋ねるが、文仁はいっこうに首を縦にふらない。

「そもそも何故その家を知りたいのです？」
「え……それは……」
「雲雀に会うためだ！」

文仁の質問に答えたのは了平だった。
了平は満面の笑顔で答えたが、しかし、文仁の表情は硬くなった。

「どうしたの？」
「……そういえば先程から言っていましたね……あなた方の言っている雲雀とは、雲雀恭弥という方ですか？」
「！そうだよ！やっぱり知ってるの！？」

綱吉が聞くと、文仁は暗い表情をした。綱吉はそれに違和感を覚える。

「おい。やっぱりお前が住み込みで働いている家に雲雀がいるのか？」
「……答える必要はありません」
「ああ？」
「文仁君？」

ｻﾞｯ

「！？」

四人は急いで文仁から離れる。何故なら文仁の手には、武器が握られていたからだ。
よく見るとそれはクナイのようだ。

文仁はどこからか出したクナイを綱吉に向けるが、間一髪の所で山本が綱吉の前に立ち、クナイを、持ってきていた「山本のバッド」で受け止めた。

「文仁君！？」
「あなた方をここから追い出さなければなりません」
「おいどういうことだ！」

獄寺の質問に答えずに、文仁は今度は手裏剣を投げた。なんとか避けたが、文仁は木の上に登り、反撃ができない。

綱吉が超化すれば良いのだが、何分相手は子供だ。たとえ武器を持っていても無闇に傷付けたくないと綱吉は思っている。

「なめやがって！果てろ！」
「獄寺君！」

獄寺がダイナマイトを文仁に投げる。しかし

「そのような物で森を汚すのは許しません」

ﾋｭﾋｭﾋｭ

「！」

文仁は手裏剣で全ての導火線の火を消した。
幼いながらもかなりの使い手のようだ。

「待ってくれ！俺達はただ雲雀さんに…」
「十代目！」
「！」

ﾄﾞｶﾞﾄﾞｶﾞﾄﾞｶﾞ

地面に手裏剣が刺さる。獄寺が押してくれなければ直撃していただろう。

「どうするツナ！」
「いったん離れよう！」

四人は走ってその場を離れた。

文仁は手裏剣やクナイを仕舞うと、先程まで登っていた木から降りた。

「…………報告しないといけませんね」

文仁はそう呟くと、その場を去った。

その様子を影から見ていた者がいた。