死神少女の初恋No. 2 (ページ7)

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４３話ページ7

ザップside

骨拾い終了。そのまま帰るのかと思いきや、Aは大通りを進み突き当たりにある小さな店のような建物のドアを開けた

中は骨格標本がズラリとならんでいた。

窓は完全に閉まっているようでおまけにカーテンまでしてあった。

電気も普通の家より暗かった。俺はそれに少し恐怖を感じた

ｻﾞ｢おい…物騒だから帰ろうぜ｣

俺はAに言う。しかし、

貴｢大丈夫だから｣

とだけ言い彼女はずんずん前へ進む

貴｢ニコ、いるんでしょ?出てきてよ｣

カウンターにあるベルを鳴らす

するとニコと呼ばれた男とクリーム色の髪をした子供が出てきた

ﾆｺ｢待ちくたびれたぞ｣

貴｢そうですか。今回は大物。人間とクジラ。両方完全だよ｣

彼女は袋からそれを取り出す

ﾆｺ｢ふむ…これは素晴らしい!!ではお礼として魂を幾つか譲ろうではないか。メフィスト、出して来い｣

ﾒﾌｨ｢何で俺が…(ｲﾗﾘ｣

ﾆｺ｢いいから。早くしろ｣

男は子供に命じ、ガラスの瓶をたくさん持って来させた

ﾒﾌｨ｢ニコライ、あとで呪い殺すからな｣

ﾆｺ｢何だ唐突に｣

男は眼鏡の位置をなおす

貴｢ｱﾊﾊ…毎回毎回こうだよね。喧嘩するほど仲が良いって言うけどそうなの?｣

ﾒﾌｨ&ﾆｺ｢なわけあるか｣

ｻﾞ｢おいA、説明しろ。これはどう言うことだ?｣

俺はAに問う

貴｢ああ、言ってなかったね。眼鏡かけてる黒髪の方がニコライ。で、チビがメフィストフェレス。ニコライと私は"同じ"死神だよ。メフィストフェレスは…悪魔｣

ﾆｺ｢おい。言うなよ｣

ﾒﾌｨ｢チビじゃねえ!!これは仮の姿だ!!｣

それからしばらく、ニコライ氏とメフィストフェレスはAと談笑していた

その時からかはわからないが、俺の心に"黒い得たいの知れないもの"が生まれた

それは、男と話しているときに限って蠢き、怒りとは少し違い…彼女を独占したいという気持ちが同時にわいた

この感情の正体に気づくのはまだ先だった