125.捕まれた私 ページ25
.
困ったように笑う私のコートを持った櫻井さんだった。
「ホントに足速いんだ(笑)」
軽く肩で息をしてる。
「…櫻井さん…。」
「コート忘れてる。風邪、ひくよ？」
あぁ、そうだ。
櫻井さん体調良くないんだった。
お酒の強い櫻井さんが飲まないくらい。
私が送っていくはずだったのに、櫻井さんを置いてきてしまった。
「す、すみません…。」
「ふふふっ。足速すぎ(笑)久しぶりにマジでダッシュしたわ、俺(笑)」
と、コートを羽織らせてくれた櫻井さんは優しく笑いながら、
「よし、帰るぞ。」と背中を優しくトントンしてくれた。
「そ、そうだ。私、櫻井さんの事、送らなきゃいけないのに。ごめんなさい。タ、タクシー拾いますね。」
病人ほっぽり出して来たなんて本当に馬鹿だ私。
申し訳なさと情けなさとでぐちゃぐちゃの気持ちのまま、大通りに向かって挙げた手を掴まれた。
「大丈夫、電車で帰ろう。」
「でも…櫻井さん風邪気味だし。」
「大丈夫。ちょっと疲れただけ。それにすぐそこじゃん、駅。勿体無い。」
「でも…お金預かってるし。」
「あー、そんくらい黙ってもらっとけ(笑)。」
「そんな。ダメです。やっぱり、櫻井さん送りますよ。」
「平気だって、この位。大袈裟なんだって(笑)ほら行くぞ。」
ふはっと笑って、私の右手を掴むと駅へ向かって歩きだした。
どこからともなく聞こえてくるクリスマスソング。
季節の寒さとはうらはらに街や行き交う人達は温かそうな色に見える。
ゆっくりと歩きながら櫻井さんが優しく言う。
「クリスマスケーキ食った、今年？」
「いえ、まだ…。」
「フハッ…。だよなぁ〜。今年そんな暇なかったしな。」
「…。」
「でも、今日23日だし、まだ2日あるから大丈夫か？！(笑)。」
.
126. 聴こえてきたもの sideＳ→←124.色違いのパンプス
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1373人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジャスミンティー(プロフ) - nanaさん» nanaさんコメありです！私的櫻井さんは浮気相手に物騒な事はしそうもなくて頭がいいので違う攻め方をするんじゃないかな？と。理詰めで責めそうです。コメが何より嬉しいです頑張ります！ (2017年10月11日 23時) (
レス) id: abbd886596 (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 櫻井さん既にズルい位カッコいい〜！これから最後に、どうやってキメてくれるのか、楽しみにしています。夜までもうちょっと(￣ー￣)無理をなさらない程度に頑張って下さい！ (2017年10月11日 23時) (携帯から) (レス) id: 432d7a35b8 (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミンティー(プロフ) - ゆっきーさん» ゆっきーさんお久しぶりです。妄想力が落ちて来ているのかなかなか翔ちゃんが降りてきてくれませんでした泣。もう暫くあたふたしてくれたら嬉しいです！よろしくお願いします！ (2017年10月11日 20時) (レス) id: abbd886596 (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミンティー(プロフ) - とのさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉泣きそうです。後少しで決着付けるつもりですが温かく見守ってください。良かったら「クロスロード」の方も遊びに来てください！お待ちしております^^* (2017年10月11日 20時) (レス) id: abbd886596 (このIDを非表示/違反報告)
との - はじめまして。今日、この作品に出会って一気に読んでしまいました！すごくドキドキする展開で次も楽しみにしています！頑張ってください。 (2017年10月11日 20時) (レス) id: a7c658fc50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ジャスミンティー
| 作成日時：2017年4月25日 17時
