【ハイキュー】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:4,008 hit

２ページ3

それからは色々あって大変だった。

遺書が見つかって遺産を全部俺に譲る、と書いてあったり。通帳の金額が一生遊んで暮らしてもお釣りが来る程だったり。その事で親戚達と一悶着あったり。

まぁ見事に遺産は勝ち取ったし。何十年か前に朔さんが住んでた宮城の高級住宅地の一軒家も貰えたから念願の一人暮らしだし。

悪い事ばかりでもなかったから良かったかな。

俺は元々東京の中高一貫校に通っていたから、転入手続きが少し面倒だったけどね。

姿見の前で自分の姿を確認する。金髪のウルフで学ランって、凄く不良っぽい。中にパーカーを着たのが余計に不良っぽく見せている気がする。

自意識過剰とかじゃなくて、冷静に考えて俺は顔が整っているから似合わないって事はなくて良かった。それは朔さんの遺伝子に感謝だね。

家を出て、スマホを見ながら高校へ向かう。歩きスマホだけど道に迷うのは嫌だからね。ちゃんと周りも見てるし、イヤホンもしていないから許してほしい。

____なんて思ってた時もあったなぁ。

？「お前、歩きスマホ危ねぇだろ！！」

自転車に跨ったオレンジ頭君に注意されてしまった。さっき彼とぶつかりそうになった事が原因かな。

「気を付けろよ！！」と言って、俺が謝る前に走り去って行ってしまった。何か用事があったのだろうか。

俺と同じ学ランを着ていたし、烏野なのかな。じゃあ謝罪は後で学校ですれば良いや。

そう思ってスマホに目を落とす。注意されたけど仕方ない。見なければ迷ってしまう。あ、でもあの角を右に曲がれば真っ直ぐ行くだけだ。

スマホをズボンのポケットにしまって、周りを見るといつの間にか同じ制服の生徒が増えていたようだった。みんな何かに怯えているように見えるけど。

みんながチラチラと様子を見ているのは、俺だった。

........うん。俺、もう不良じゃないからね？