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アル「………………… 何だお前ら。
変なライオンだな。…… いや、犬か?」
初めて見るその巨体に、俺は何故か恐れを覚えなかった。
そして、その巨体。後の世界で【ディアウス・ピター】と呼ばれるアラガミは、
俺に向かって走り出し大きな口を開け俺を喰おうとしたらしい。
アル「躾のなってねぇペットだな。
……………… 座れ。」
俺は右手を上にあげ、一気に振り下ろす。
すると、ディアウス・ピターはアルビリオンが纏い放つ覇者の気迫と殺気を恐れ、まるで本当のペットのように座る。
アル「なんだ、随分と可愛いじゃねえか。
ほら、お手。」
アルビリオンが差し出した手に、大きな手を乗せる。
アル「よしよし、お前。ご飯は何を食べるんだ?」
ディアウス・ピターは困っている様子だった。
そして、アルビリオンの脳内に響いた声。
『貴方は、私が怖くないの?』
アル「怖い?可愛いの間違いだろ?
こんな可愛いペットは初めてだ。俺様が飼ってやるよ。」
『………… 私の声、聴こえるのね、?』
アル「ああ、聴こえるよ。綺麗な女の声だ。
アンタは美人なんだな。」
そう言ってアルビリオンは、ディアウス・ピターの頭を撫でる。
『……… ふふ、不思議な人。
私たちの事を知らないのね。いいわ、私が教えてあげる。』
そう言ってアルビリオンを背に乗せ、ゆっくりと徘徊しながら
ディアウス・ピターはアラガミについて教えてあげた。
もちろん、自分がその一つであることも。
自分の餌が、アラガミや建物。人間だということも。
アル「そうか。それで俺様を喰おうとしたんだな?
でも、もう俺様の事は喰わないだろ?
なにせ、俺様はお前のご主人様だからな。」
『ふふ、ご主人様だなんて。嫌だわそんなの。』
アル「何だよ!俺様がご主人様になるのが気に食わねぇのかよ!」
『違うわ。上下関係じゃなくて、対等な関係がいいわ。
例えば、恋人とかね。』
微笑みながら冗談を言うディアウス・ピター
その言葉を心の底から言うようになるのは
出会ってから一週間ほどしてからだった。
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2017年10月6日 8時