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A｢……… はぁ、ここが噂の[本丸]ってやつか。｣
全く、何でこの僕がこんな所まで赴いて仕事をしなくちゃいけないんだ。
僕は、とある場所からこの本丸の【審神者】に任命された。
面倒な仕事をしないという契約の元、協会と契約したはずなんだがな。
ふん、それだけ人材不足、という訳か。僕を招集するくらいだからな。
僕は、こちらの世界でいう【貴族】出身で、
齢26にして職に就かなかった、いわゆるニート。
だが、人材不足と資金難から僕の家に協会から援助の要請が来た。
まぁ、正直金は余るほどあったから僕はその要請を受け入れた。
援助する代わりに、面倒事のない簡単な役職に就かせることを条件に。
それなのに、一番面倒な審神者を押し付けるなんて…
正直この世界には本丸は腐る程あるだろうに。
そんなに時間遡行軍が怖いのか。
…………… まぁいい。死ぬほど面倒だが、振られた仕事はこなさなければ我が名門貴族の名が廃る。
それにしても、本丸って言うのは随分とでかいんだな。
僕の別邸と同じくらいなんじゃないのか？
………… 僕がせっかく出向いてやっているのに、迎えも無しか。
取り敢えず中へ入るか。
僕は本丸へと足を踏み入れる。
ふむ、随分と静かな場所だ。本当に大勢の刀剣男士が居るのか？
…………… ん？
何やら楽しげな声が聞こえるが。
子供の声？
おいおい、まさか子供がいるのか？
子供の面倒を俺に見ろと？冗談じゃない。
とにかく、声のする方へ行ってみるか。
楽しげな声のする方へと向かうと、数名の子供たちが走り回っていた。
全く、喧しい子供だ。
A｢おい、貴様ら。この本丸の近侍は誰だ。
今すぐ僕の所へ連れて来い。｣
突然の僕の声に驚く子供たち。
薬研｢……… もしかして、新しい主… なのか？｣
A｢あぁ、不本意だがここに配属された者だ。｣
厚｢おお！あんたが新しい大将か！
分かった、俺があいつのこと呼んでくるな！｣
そう言うと、短髪の子供が本丸の建物に入っていく。
ふと、視線を感じた方へと目をやると
僕を見て、怯えるひとりの子供がいた。
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作者名：アルビリオン | 作成日時：2017年9月20日 1時
