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アズール「っ、返しなさい。窃盗は重大な犯罪ですよ！」
レオナ「態々届けてやったのに泥棒扱いかよ。
…… まあいい。返してやるよ。ほら。」
そう言って、彼は僕に鍵を渡して去っていく。
安堵しながらも、急いで金庫の中を確認する。
しかし、そこには、…… 何も無かった。
何処にも、何も。大切な【黄金の契約書】が、全て無くなっている。
【あの日交わした、一番大切な契約書】でさえも。
アズール「………… っ、あの野郎。まさかっ、……！！！」
僕は急いで、あの男のあとを追った。
********
やっとの思いで追いつくと、あの男は大事な契約書を灰にしようとしていた。
アズール「…………待ちなさい！！」
レオナ「…… おっと、もうお出ましかよ。
動くなよ、この契約書がどうなっても知らねぇぜ？」
アズール「……………… かえして、下さい……
返して下さい！！」
僕の必死な姿に、此奴は主導権を握ったような気に食わない顔をする。
レオナ「その必死な顔を見るに、アイツの予想は当たってたんだな。」
そう言いながら、此奴はこの行動を起こすまでの経緯をペラペラと話し始める。
………… うそだ、あんな奴に見破られるなんて……！！
アズール「…… 何で、あいつは僕の邪魔ばかりして来るんだ。
イソギンチャクを解放したって、あいつには何の得もないだろう！！」
レオナ「それに関しては同感だ。
………… そこで、俺と取引をしようぜ？」
………… っ、此奴っ、…… 僕の足元を見やがって、…… ！！！
レオナ「この契約書をお前に返したら、お前はなにを差し出す？」
アズール「…… な、何でもします。
テスト対策ノートでも、卒業論文の代筆でも、出席日数の水増しでも、なんでも、…… あなたの願いを叶えます！！」
レオナ「…… ほう？それは魅力的だな。
……………… だが、そんなんじゃこれは返せない。
俺は今、監督生に脅されててなぁ。契約書を破棄しなけりゃ朝まで部屋の前で騒ぎ続けてやるってな。
このままだと、俺が寝不足になっちまう。だから、これは破棄させてもらう。」
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作者名：アルビリオン | 作成日時：2020年6月7日 12時
