【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ2)

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それから特に何事もなく学園生活を送っていたある日。

私はユウさんに頼まれて、テスト対策の為の勉強会を開いていた。

エースさんやデュースさんも誘ったのだが、何故か断られてしまった。

グリムさんは寝ているので、実質二人きりの勉強会である。

フィリウス「…… さて、まずは文系から行きましょう。

模擬テスト問題を数種類作ってきました。これを解いて、間違えたところを重点的にやっていきましょう。」

そう言いながらどんどんと対策を練っていく。

ユウさんはどの分野もとても平均的で、さほど出来ない、という訳ではなく、応用や捻り問題に弱い、という点がありました。

そこを補いつつ勉強を進めていくと、ユウさんはメキメキと成長していきました。

ユウ「…… はぁ、こんなに分かりやすい解説初めてだ。

一生ついて行きます。先生。」

フィリウス「ヤダなぁ、変な呼び方はやめてくださいよ。

多分、これだけ頭に入れておけばどう転んでも半分は取れるはずです。」

こんなに楽しいのに、何で二人は来てくれなかったのかなぁ……

すると、外がすっかり暗くなっているのに気がついてしまった。

フィリウス「………… ユウさん、今日はここに泊めてもらえませんか？

もう歩くのも面倒です。」

ユウさんは少し驚きながらも、笑顔で了承してくれた。

フィリウス「…… ふふ、他の寮へのお泊まりは初めてです。

明日のテストに響かない程度に、沢山お話しましょうねっ。」

ユウ「…… はは、意外と子供っぽいところあるんだね。

いいよ。勉強教えてくれたお礼。気が済むまで話そう！」

*****

フィリウス「…… ユウ、起きて。ねえ、テストに遅れちゃうよ？」

ぐっすりと眠ってしまったユウの体を揺らすと、眠そうなうめき声をあげる。

ユウ「んん、？

………… 嗚呼、フィル…… まだ、眠いよ。」

…… 何故こんなにも急激に距離が近くなったかと言うと、昨日の夜、色々と本音を話していたら、さん付け敬語はよそよそしいってことで、それを辞めました。

お互いを呼び捨て、ユウにはフィルと呼ぶように頼みました。

お陰で、もっと仲良くなれました。とても嬉しいです。