【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ49)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:78,392 hit

98 ページ49

セベクに抱えられた俺は、クルーウェルの居る魔法薬学室へと辿り着いた。

だが、運の悪いことに、直前のクラスがアズールのクラスだったらしく、セベクに抱き上げられているのを見て目を見開いた。

アズール「フィル？！どうしたんですか！？

………… こんなに顔色が悪い、…… まさか、何かの病気でも……っ、」

あーあ、心配掛けちまった。そんなに顔を真っ青にして……

クルーウェル「…… コラール、…… じゃ、なかったな。

だが、…… アーシェングロットはここにも居る…… 」

フィリウス「クルーウェル～、薬作ってくれないか？

さっきから自分じゃ動けないんだ。頭も揺れるし目眩は酷いし、」

すると、クルーウェルは俺の状態を確認する。

しかし、原因が分かっていないため、首を傾げるばかり。

クルーウェル「…… お前は、原因が何なのか分かっているのか？

どの作用の薬が欲しいんだ？」

フィリウス「………… 分かった、取り敢えず今から材料言うから、あと手順も、」

俺はクルーウェルに薬の材料と手順を伝える。

その薬はクルーウェルも知らない、未知の薬らしい。

まぁ、俺が考えたものだし、俺専用だし。

今後この症状が出た時に、これを飲めば治まってくれるように。

少し待っていると、微かな匂いが鼻をくすぐる。

フィリウス「………… それ、そこで完成。

悪いんだけど、口まで運んでくれないかな。腕、ちょっと動かない。」

本当は、もう殆ど感覚が残ってねぇんだけどな。

すると、アズールがクルーウェルから薬を受け取り、俺の傍に来る。

アズール「さあ、口を開けて、………… ゆっくり飲んでください。」

優しく俺に声を掛けながら、薬を流し込んでくる。

……………… おえぇ、まっじぃなァ……

そう時間が経たないうちに、徐々に身体の感覚が戻ってくる。

ふう、取り敢えず一安心………… かな？

フィリウス「ありがとな、セベク。ずっと抱えてもらって。

寮長には後で言っておくよ。セベクは優しくてイイコだってな。」

そう言って、俺は手癖でセベクの頭を撫でた。