【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ47)

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セベク「身体を抱き抱えるぞ！」

セベクはそう言って俺を横抱きにし、急いで保健室へと向かう。

………… はは、今さっき俺を気に掛けなくていいと言ったばかりなのに。

まあ、誰だって目の前で真っ青になってぶっ倒れればビックリするか。

嗚呼、拙い………… 意識がどっかに行きそうだ。

フィリウス「………… せ、べく、…… わるい、とぶ、」

その直後、俺の視界は真っ暗になった。

******

ふと目を開けると、見慣れない天井と、仄かな薬品の匂い。

本当にトんでたな、これは。

起き上がろうと思ったが、身体が怠くて思うように行かない。

すると、俺の左手に変な違和感を覚えた。

首を捻り左側を向くと、そこにはセベクが椅子に座り、何故かを俺の手を握って俯いていた。

耳を澄ませると、規則正しい寝息が聞こえてくる。

フィリウス「………… クロウリ～、」

俺がぽつんと名を呼ぶと、何処からかクロウリー、基学園長殿が現れる。

クロウリー「これは、コラール君。私を呼び付けるなんてどうしたんです？」

フィリウス「個人情報の訂正、俺はフィリウス･アーシェングロット。

教員間で共有させておいてくれ。」

俺がそう言うと、少し驚いたような様子を見せる。

そして、少し何かを考え込むような素振りを見せた。

クロウリー「………… もう一度、闇の鏡に見てもらいますか？」

………… 嗚呼、気を遣ってくれてんのか。

フィリウス「いや、どう転んでも俺はディアソムニア寮だと思うよ。

何度やったって、俺はオクタヴィネル寮には成れない。」

は、自分で言っておきながら、ちょっとシンドい。

すると、クロウリーは俺の頬を優しく撫でた。

クロウリー「体調はいかがですか？」

フィリウス「残念ながら身体が怠くて動き辛いよ。

しばらくは寝てるかも。」

そう言うと、クロウリーの口元が優しく微笑んだ。

クロウリー「念の為、ジグボルト君は傍に置いておきますよ。

………… 寝てしまっていますが、このまま、ね。」

そう言い残して、クロウリーはその場から去っていった。