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フィリウス「………… タダで私が働くとでも?



この世界は、何かを得るためにはなにか与えなければならない。要するにギブアンドテイクです。


私に何をくれるんですか?」



態と意地の悪い言い方をすると、アズールは少し困ったように眉を下げる。





アズール「…… 何なりとお申し付け下さい。」


フィリウス「受け身ではなく、何をくれるのか?と聞いているんです。


アズールなら、私が喜ぶものをくれるんでしょ?」





私の言葉に、アズールは更に困った顔をする。



アズール「で、では、次回のテストの虎の巻なんて如何です?」


フィリウス「勉強は得意です。必要有りません。」





即答すると、アズールの頭の中がだんだんと混乱していくのがわかる。



何をすれば、何を与えれば、私が喜ぶのかを考えているその姿は、とても愛らしいものだった。




フィリウス「…… 何もくれないなら、このお話はナシです。」


アズール「まっ、待って、…… 今考えてますからっ、」




あはは、少し意地悪をしすぎてしまったかな。




冗談だよ、と言おうとしたその時、アズールは少し頬を染めながら私の肩を掴んだ。



アズール「………… ぼ、僕の時間を差し上げます。



何時でも、何時間でも差し上げますから、だから、………… 。」



おやおや、時間をくれるだなんて。なんて素敵な対価でしょう。



フィリウス「その言葉、忘れちゃダメですよ。


アズールの時間を貰う代わりに、私はここでメイドとして働く。





契約は成立、ですね。」




悪戯っぽく笑いながら、私はメイド服に着替える。





ふふ、ココの経営は相当大事な様ですね。



我ながら、あんなに簡単にアズールが自らを差し出すとは思いませんでした。







さて、寮長であるアズールの時間を頂けるんですから、それに見合った働きをしなくてはいけませんね。



フィリウス「…… ジェイド、また髪を結ってください。」


ジェイド「ええ。………… おや?



何やら嬉しそうですね。」


フィリウス「…… ふふ、アズールは可愛いなって思ってるだけだよ。



















………… だからこそ、虐めたくなっちゃうんだよ。」




そう呟きながら、溜息をつきながら寮生に支持を出すアズールを見つめていた。

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アイ(プロフ) - ほんとにこの小説が好きになりました!!これからも更新頑張ってください!応援してます!!! (2020年5月25日 17時) (レス) id: 55b4dc7f28 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - ぇぇえええめちゃめちゃ好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 51d12970b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年5月25日 1時

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