拾弐 ページ13
さてと、からかうのもこの辺にしとくか。
そう思っていると、禰豆子に頭を軽く叩かれる。
禰豆子「むうっ!!」
あはは、怒られちまった。
悪戯しちゃダメって怒ってやがる。
義焔「悪ぃ悪ぃ。ちゃんと説明するから。
あーもう、そんなに怒らないでくれよ。」
苦笑いしながら禰豆子に謝ると、どうやら許してくれたらしい。
義焔「さて、まずは俺の事について、端的に説明する。
嘘偽りない事なら金髪の小僧が分かるはずだ。
まず、俺の名前は冨岡義焔。そこに居る義勇の実兄だ。
そして、お察しの通り、俺は鬼だ。正確には、
【俺に浮気されたと勘違いした恋人に無理矢理鬼にされた。】と言うのが正しい。」
俺の言葉に、その場にいた全員が衝撃を受けていた。
炭治郎「………… まさか、鬼舞辻無惨の事か!?」
義焔「おっ、知ってるなら話は早い。
んで、血の渇きに耐える方法として人間を食らうのではなく【人を殺めた鬼】を喰らうことにした。
本来であればこの方法で血鬼術に目覚めることは無いんだが、俺はどうもレアケースだったらしくてな。
長い時間をかけて、血鬼術に目覚めることになった。
だが、それと同時に俺の血鬼術を欲した無惨が俺を執拗に追ってきてな。
そこで俺は、身代わりとしてもう一人の自分を作り出して、基本的な権利を全てそいつに譲った、という訳だ。」
突然の膨大な情報量に混乱している義勇達。
すると、俺は嫌な気配を感じた。
………… 全く、あの一瞬で俺の元に飛んでくるなんて、殊勝な事だな。
義焔「お前ら、今すぐここから離れるぞ。
俺の服を掴め。何処でもいいから何があっても離すなよ。」
俺の真剣な物言いに、義勇達は俺の服を掴む。
悪ぃが、そう簡単にお前に会ってやるわけにはいかねぇんだよ。
そう思いながら、意識を集中させる。
集結場所は、冨岡邸だ。
さすがにこの人数での移動は初めてだから、失敗するかもな。
まあいい。どうにかなる。
そう思いながら、俺は自身の左胸に手を突っ込む。
そして、自ら心臓を握り潰した。
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時