弐拾弐 ページ23
善逸side
熾勇が夕餉の買い出しに出ていって数刻がたった。
もう日が傾き始め、辺りが暗くなる。
明らかに、冨岡さんから焦る音が聞こえる。
炭治郎「………… 熾勇、遅いですね。」
炭治郎のその一言で、冨岡さんは立ち上がる。
義勇「………… すまない。きっと、俺が余計なことを提案したから拗ねているんだ。
探して来る。お前達は帰ってくれ。」
そう言って勢いよく飛び出していった。
善逸「どうする?」
正直、熾勇が俺達が泊まることに凄く嫌がってたのは聞こえていた。
それに、顔は笑ってたけど、相当苛立っていた。
アイツ、結構物腰低そうな割には怖そうだな……
伊之助「ちぇっ、飯が食えねぇなら蝶屋敷にでも行こうぜ。」
すると、炭治郎が立ち上がり、らしい事を言った。
炭治郎「俺達も、熾勇を探そう。
義勇さん一人で探すより、人数は多い方がいい。」
……………… やっぱりそうなるんだよなァ。
そんな事を思いながら、仕方なく俺たちは頷き、熾勇を探しに外へ出た。
暫く探していると、炭治郎がピタリと動きを止める。
炭治郎「………… 熾勇の匂いがする。
………… っ、それと、血の匂いもだ!」
その言葉に、俺達は青ざめた。
夕餉の買い出しに行ったばっかりに、鬼に襲われてしまったのではないだろうか。
俺達は炭治郎の鼻を頼りに熾勇を探す。
すると、俺の耳に、微かに声が聞こえた。
熾勇の音だ。………… 冨岡さんを探す音……っ!
善逸「……………… 炭治郎、こっちだ!」
音が聞こえる方へ走り出すと、そこには首を喰いちぎられて、血塗れになっている熾勇が倒れていた。
炭治郎「熾勇!!?」
急いで駆け寄ったが、呼吸がとてもか細い。
善逸「やばいよ炭治郎………… っ、熾勇、血がっ、!」
伊之助「んな事言ってる暇あったら、早くこいつを蝶屋敷に運ぶぞ!」
そう言って伊之助は熾勇を抱き抱え、急いで蝶屋敷へと走っていった。
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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時