君に会ったその日から【BL】【sgi×izw】

第1話 君に会った日 ページ1

須貝side

『あっちぃ〜っ…』

そう言いながら手でパタパタ顔をあおぐ。

すると、ふと目にとまった一人の青年。

あわあわとしながら床に散らばっている本を集めている。

…こんなに本を読むのか。

と思いながら自分の足元に落ちていた1冊の本を拾う。

これ、クイズの本…？

へぇ、凄いなぁ。と関心しながら彼に声をかける。

すると、彼はピクリと反応を示し、ゆっくりとこちらに顔を向けた。


＿＿＿可愛い。


それが最初に浮かんだ言葉だった。

きっとそれは普通、男性には似合わない言葉なのだろうが、この『彼』にはピッタリだった。



少し重たい前髪。

キラキラと吸い込まれそうな瞳。


彼の全てに興味を惹かれた。

恋愛には程遠い存在の俺だったが、これが一目惚れなのだと分かった。

俺の胸は五月蝿い音でドキドキと高鳴る。


｢ぁ、その手に持ってるのって…｣

彼の少し幼さを含んだ声にハッとして視線を戻す。

『あ、あぁ、落ちてたよ』

ゆっくりと本を差し出すと、彼は静かに受け取って、へにゃ、と微笑んだ。

｢ありがとうございます！大切な物なんです！｣

そう言ってギュッと大切そうに抱き抱える仕草は愛しい。


俺って恋出来たんだなぁ、そう思いながら彼を見つめた。


‥

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