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『アッパ？起きてよ』
そう呼びかけても何も返事がない
置いていかないで
1人にしないで
後ろから声をかけられる
「イムさんの娘さんですか？」
『、はい』
「ここへ搬送中に意識をなくされて、それで──」
お医者さんの話は頭に入ってこなくて、右から左へと通り抜ける
『あの、事故ってどうゆう』
「江南に交差点で飛び出してきた車から子供を庇ったそうです」
あの子が、と指された女の子を見る
アッパのおかげであの子は無事なんだね、よかった
「A！」
どこからかマネオッパの声が聞こえる
私を見つけ、近づいてくる
『オッパ、私1人になっちゃった』
無意識に口から出た言葉で、アッパが亡くなったと思い召された
私の言葉に顔を暗くさせるオッパ
「っもう帰ろう」
腕を引かれ乗ってきた車に乗り、家に帰る
真っ暗で静かな部屋に呆然と座り込む
アッパが死んじゃった
私の家族はもう誰もいない
哀しさとか嫌なことで目の前が暗くなる
全部夢であってほしい
「A、A」
聞き慣れた声で目を覚ます
外を見ると太陽が出ている
あぁリビングでそのまま寝てしまったんだ
「大丈夫か？ほら水飲め」
マネオッパからコップを受け取る
昨日のは夢じゃなかったんだ
「しばらくは仕事無しにしたから。休め」
心配そうな顔をしたオッパはまた夜に来ると言って出ていった
力も何も入らなくて、何もせずに時間が過ぎていく
空の色が暗くなり始めた頃、昨日言われたことが頭に浮かぶ
───江南の交差点で飛び出してきた車に
力の入らない体を立ち上がらせ、そこに向かった
暗い空にたくさんの車、そして信号の近くに置かれた花束
この時間帯にここで事故に遭ったんだ
少なくなった車の通りと何度も点滅する赤と青の光
どれくらい時間が経ったんだろうか
その場にずっと立ちすくむ私
このまま私も消えてしまえば
赤い光向かって動かなかった足が進んでいく
あと一歩で道路というところで、後ろから手を掴まれ後ろに引かれる
SC「何、してんだよ」
.
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やーが(プロフ) - 完結おめでとうございます！これからの続編も楽しみにしています☺️ (11月1日 1時) (
レス) @page35 id: 9fbd62edcc (このIDを非表示/違反報告)
ayumu(プロフ) - とても好きなお話です！たくさん更新してくださってありがとうございます- ̗̀♡⃛ ̖́- (9月28日 0時) (レス) @page10 id: 3aa1a3bfb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吏 | 作成日時：2023年9月7日 22時
