冷熱系女子の溜息 ページ10
中也さんの接吻を受け止めながら床に倒れ、少し噎せる
昔よりも数倍増した色気に恍惚しながら身体を火照らせる私を見て、妖艶に微笑む彼が愛おしい
『……何でですか?』
「何がだ?」
『何で、私の事を今の今迄覚えて、愛してくれて居たんですか?』
「知らねぇよ…今迄仕事で女を抱いてきた事は何度かあった。がァ、手前ェが俺に一番強く残ってるから。手前ェの顔、声、匂い、仕草、微笑み、味だって、全部覚えちまってる」
中也さんと会った時の記憶は霧がかっている
何年前か、私がポートマフィアに入る前。
義母義父に捨てられて、何となく死のうとしてた時に重力操作で止めてくれたのが中也さんだった。
其れで相談に乗って貰って…家に行って……?其処からは云う迄も無いが。
潔癖症の私と敏感体質の中也さんが此丈深く絡み合ってるのに何方も相応の反応を見せない自体疑問で仕方が無いが、まァ今はそんな事どうでもいい
『会いたかった…筈です』
「確信してくれてると嬉しかったんだがなァ」
『記憶曖昧ですから、無理です。槙だって、本当に幼馴染なのか分かりませんし』
「……あいつ違うかも知れねぇのか?」
『半確信ですけどねェ』
目を開いて病室の天井が見えるはずだったが、見えたのは幼馴染と名乗る少年の顔。
其れからずっと付いてきてる訳だが、役に立ってるし、いっかなーっみたいな
『何顔顰めてんの』
「否、気になってな…って、手前ェ敬語抜けんの早くねぇか?」
『そういう大事な事をちゃんと教えて貰って来なかったんで』
「反応に困るから辞めてくれ」
『ふふ、すいません』
笑みを零しながら笑うと中也さんも其れにつられ微笑を浮かべる
隣の部屋から、槙が聞いているであろうロックバンドの音楽が聞こえる
何処か懐かしい其の曲を口ずさむと、其れを辞めてくれとでも云うように乱暴に口を閉ざされた
『嫌いなんですか?』
「分かんねぇ…けど嫌な気がした」
『可笑し』
床に倒れている状況から解放され、中也さんの姫抱きによって膝の上に座らせられる
さっきよりも近い気がして顔が赤くなるのを自覚し両手で隠すと、“可愛い事すんじゃねぇ”と其の手を強引に外された
「可愛い顔は魅せるモンだぜ?」
『私の顔は見世物じゃ有りません』
「折角褒めてやってんのに素直じゃねぇな」
『照れ隠しですよ』
私を揶揄う中也さんを見て、好きだなァとか思ったのは、墓まで持ってく秘密にしてね
65人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊まふ(プロフ) - 麗華さん» はい! (2019年6月27日 21時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 柊まふさん» リクエスト有難うございます!3人というのは中也と夢主とオリキャラの3人ですか……? (2019年6月26日 7時) (レス) id: 2c4369ec72 (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 3人で水族館に行くお話をお願いします(*^^*) (2019年6月25日 23時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:24suganoya | 作成日時:2019年5月28日 0時