無気力系男子の保護 ページ8
「俺は此奴の補佐なんで中原幹部に関わる事が多くなるかもしれません」
何故か、視線の間に火花を散らす二人を横目に見ながら部屋を見渡す。机は比較的綺麗で、目立つのは洒脱な帽子程度
此帽子、特徴的だなァ…………
私に人の身形に口を出す権限は無い為、まァどうでも良いけど
「Aは中原幹部の補佐ですから、貴方を護るかもしれませんが、俺が護るのはAだけですんで」
『無駄に喧嘩売るな。すいません…中也さん』
「否、大丈夫だ。新山は…相当な過保護らしいなァ」
「…ふ、何の事でしょうか」
私は生憎鈍感じゃないの。
槙がある程度私に好意を寄せているのは見れば分かる。でも、私達黒社会の人間は…
何時死ぬか判らないし、二人繋がって過ごすなんて事はマフィアを抜け出さないと難しいだろう。私達にとってマフィアを抜け出す事自体は容易だが、其の後が面倒臭い。
日本に居る限り追い回され、外国に行こうにも上手くいく保証がない為易々とは行動出来ない
だから、私は
こんな黒社会に身を潜めるのだ
「また早速で悪ぃが、仕事だ。頼まれてくれ」
『仕事でしたら。何でしょうか』
「前に俺が片した事件の報告者を纏めて欲しいのと、次に取り掛かる事件の書類を纏めて俺に見せてくれ」
『了解です。次に取り掛かる事件の書類優先で進めますね。槙、書類室行こ』
「嗚呼。中原幹部、すいませんが前の事件の報告者を書く為の下書きを纏めてといて下さい」
「分かった、書類室で用済ませたらAだけもう一回俺ん所来てくれ」
其の問として頷いた
槙に右手首を掴まれ、書類室迄引き摺られる。残念ながら私は、何で怒ってんの…って考える鈍感っ子では無いから。
私が急に昇進して、中也さんの幹部補佐になり。中也さんも会って間もない私を下の名前で呼ぶし、距離は近い。
おまけには私を気に入ってる様に見える。
私に好意を寄せる槙が、嫉妬しない訳無いからねぇ。
『嫉妬を私に打つけ無いでよね』
「其の原因おめェだし。本当ひでぇよな。気付いて居ながら、云わせて呉れねぇ」
『此社会に生きる以上、ね?』
槙は、不服そうに頬を膨らまし嗤いながら、私の腰に手を回し引き寄せる。
私は此奴に惚れているのだ。と、何度も思った事があるが、何度も思い直した。
昔、私を救ってくれたあの人に私は永遠に見蕩れ続け。
永遠にあの人への想ひに揺蕩うのだろうから。
今思えば中也さんに似たあの人に、私は未だ浸って居るのか。
65人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊まふ(プロフ) - 麗華さん» はい! (2019年6月27日 21時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 柊まふさん» リクエスト有難うございます!3人というのは中也と夢主とオリキャラの3人ですか……? (2019年6月26日 7時) (レス) id: 2c4369ec72 (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 3人で水族館に行くお話をお願いします(*^^*) (2019年6月25日 23時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:24suganoya | 作成日時:2019年5月28日 0時