無気力系男子の不安 ページ23
無気力系男子side
水族館で武装探偵社と衝突し、探偵の様な格好をした奴に“華の舞”においでと云われた瞬間に真青に成ったAの顔が未だ頭に残っている。
何れ丈話し掛けても、中也さんが危ない事仕掛けても反応しないAに俺等は心底心配していた。
「おい、A…。あノ探偵に云われてからお前可笑しいぞ?“華の舞”って処に行くんじゃねェのかよ」
『……行って来る』
「嗚呼、中原幹部にも云っとくからな」
『………………ん』
反応が薄過ぎる。可笑しいと罵倒された時は幾ら冗談だったとしても“はァ?”と切れる癖に。
本当に、如何したんだ。
Aが中原幹部の隣に立って、恋人に成ってからは相当辛かった。
何せずっと好きで、ずっと近くで支えて来たのに秒で取られたんだからな、美男ポートマフィア最強の幹部に。
「中原幹部、Aが“華の舞”と云う処に行きました」
「おお、そォか。悪ぃが新谷、追跡して来て呉れ」
「了解しました」
追跡してって、A捕らえて、もう二度とお前の処に返さない様にしようかと思ったけれど、無理だな。
俺、好きな奴取り合って負けて死ぬとかってだぜェ死に方したくないし。死ぬ時は自己犠牲で死ぬって決めてんだよ。
「Aだけでも必ず中原幹部の元に返すと御約束します」
「何でだ、手間ェも一緒に帰って来いよ」
「ええ勿論、其の積もりでは居ますが。不可能も有りますので」
「不可能……ねェ、手間ェは出来る奴じゃねェか」
「過大評価です」
“そうでもねェけどなァ、まァ二人共元気に帰って来い。之は幹部命令だ”
其の声を背中越しに聴きながら、幹部執務室を出た。
“新谷さん?何処行くんスカ”と紅華の部下達に話し掛けられるが普段の様に余裕が無い為、はぐらかし乍ポートマフィアビルを去った。
「居ねぇ」
近くを周回しとけば見付かるだろうと踏んだ俺は、タクシーの運転手を狙撃し、果実を食べ運転させる。
俺が運転しない理由は簡単で、単純に運転出来ねぇから。運転手だったら自然に運転の動き覚えてっから運転しろって命令すりゃ出来るんだ。
付近を周回すること二、三分。Aの姿を見付けた俺は、追跡を始めた。
「はァ……取られちまったもんは仕方がねェよなァ」
今更中原幹部からAを取り返そうなんて思えない。諦めが早い俺はそんな事しねェから。
唯、一言。云わせて欲しいのは。
俺は永遠にお前が好きだろうと。
65人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊まふ(プロフ) - 麗華さん» はい! (2019年6月27日 21時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 柊まふさん» リクエスト有難うございます!3人というのは中也と夢主とオリキャラの3人ですか……? (2019年6月26日 7時) (レス) id: 2c4369ec72 (このIDを非表示/違反報告)
柊まふ(プロフ) - 3人で水族館に行くお話をお願いします(*^^*) (2019年6月25日 23時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:24suganoya | 作成日時:2019年5月28日 0時