37兆個の中での再会

さぁ、働こう！ ページ1

＿白血球(好中球U-2344)視点＿
いつも追いかけてた＿＿＿。兄さんと呼んで慕った同じ骨髄で育った先輩。私よりも早く生まれ、私よりも早く白血球となり血管のなかで働きだした人。休みの時は血管で働く血球達を眺め、私も早く働きたい、兄さんと同じ白血球になって、細菌やウイルスを倒したい…。そう思って毎日、見ていた。だけど、私が探す兄さんはあの日、この骨髄から卒業してから見つけることができなかった。
だけどそんな私も時が流れ立派な白血球となり兄さんのことなんて頭の奥に封印して働き始めた。皆ナイフを使うが私は重さは結構あるが遠心力と重さで大きなダメージを与えられる大きな鎌を使っている。ナイフは軽すぎてなんだがぱっとしないのだ(重たい方が筋トレにもなるし)。ブンッというよりゴオッという風を切る音を立てながら私は毎日細菌などを斬って斬って斬りまくって仕事をしっかりとこなす。血を浴びても気にしない。この世界、この体内をウイルスや細菌から守るために働くのだ。辛くないし寧ろそれが生き甲斐で…。疲れたりはするけど、仕事だからそれくらいが普通なのだ。


今日も相棒の鎌をもって見回りをする。今日はなんとなくいいことが起こりそうで朝から少し機嫌がいい。鎌もしっかり研いで切れ味は完璧だ！
U-2344「この辺りも居ない…。平和なのはいいことだなぁ…」
飲み物でも取りに行こうとしたその時、すこし離れたところから少しの振動を感じ、そして細胞や赤血球たちの悲鳴が聞こえた、レセプターもほぼ同時に反応し始めた。なんで休憩しようとしたタイミングで！！…休憩前の運動！最高！
私は細菌が侵入してきた方を向き鎌を構え地面を蹴る。既にほかの白血球たちが駆除を始めていたが細菌の数が少し多いみたい。
U-2344「絶対に…逃がすんじゃねェぞ！！」
男に囲まれて育てば言葉遣いも似るものだ。そうほかの白血球たちに言いながら私は細菌に鎌を振る。簡単に斬れては血が噴き出すが気にしない！相手は一体じゃないんだ、血を流すのはここを一掃した後！！
被害が出ないようにしながら、私たちは4人掛りで細菌を殲滅させる。それまでに数分はかかった。数もあっているし一体も逃がしてないはずだ。
赤血球AE3803「白血球さん！いつもいつもありがとうございます…！」
すぐに近くに居た赤髪の赤血球が白血球に駆け寄り礼を言う。礼儀のいい子もいるんだなぁと感心していると声をかけられた白血球が言った。

こんな所に…！→

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