夜更かし ページ9
日付が変わろうとしている午後11時50分。
今日の東京はあいにくの雨。
電気を消して、間接照明のオレンジが俺たちを包み込む。
映画でも見るか、と言い出したのは俺。
あしたは久々のオフだし、Aと一日過ごせる予定。
Aと一緒に夜更かし出来るなんて最高。
安い缶ビールでさえ美味しく感じる。
二本目の映画に差し掛かった時、隣にピタリと座るAが俺の肩に頭を預けた。
「ん？」
視線をAへ移すと、ギュッと抱きしめて来たA。
可愛すぎんだろ。
肩を抱くと、Aの視線と絡まる。
「臣ってさー、私のどこが好きなの？」
「え？(笑)どこってー。」
なんちゅー甘々な質問だよ。
"全部"なんだけどそれを言う前に、全部はなしねって。
そういうとこも可愛いと思っちゃうし好きなんだよ。
「素直に甘えてくれるとこ。」
「ふーん。」
「なんだよ(笑)」
「他は？」
「、、、俺の事めちゃくちゃ好きなとこ？」
「何それー(笑)」
「え？違うの？」
「まあ、そうだけど？」
強気な視線も、俺を包み込むこの甘えんぼな腕も。
全部が好きだから。
「Aの全部が好き。嫌いなとこも含めて好き。」
「嫌いなとこって何よー！(笑)」
「すぐ怒るとこも好き(笑)
全部可愛いなって思っちゃうんだよ。」
もうっ。って怒りながらも嬉しそうなA。
俺にとってはAの全てが好きなんだからしょうがねえじゃん。
END
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作者名：ゆめちゃん | 作成日時：2020年2月25日 22時
