可愛くない彼女の話2 (ページ5)

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TEL1 ページ5

「もしもし。A？」

本日2度目の広臣からの着信。

1度目は無視をして、
2度目はなかなか出ず。

やっとのコールで出てやった。

うん、と小さく返事をしたのには理由がある。

一週間前。

今日は広臣が久しぶりのオフで会う約束をしていた。
それなのに、夜は地元の友達と飲む約束をしているとか。

それは仕方ない。
広臣だって休みは久しぶりだったし、私だけに時間を使うのも申し訳ないかなって気持ちもあったから。

私ってば大人になったもんだ。

快くいいよ、と送り出したのに。

広臣が酔っ払って電話をかけてきたときに向こう側に女の子の声がして。

めちゃくちゃ楽しそうじゃん？

私、大人になったなって自分のこと褒めて我慢したのに。
私だって朝まで広臣と一緒にいたかったのに。

そんなことも言えずに、

「嫌い。もう電話かけてこないで。」

電話の向こう側でテンパってた広臣だったけど。
それどころじゃない。
大人の対応だ。

私は無視を決め込んだ。

あれ？これ大人の対応じゃない？

いいの。

女の子ならこの手の話、理解できるよね？

とにかくムカついたから広臣のことは無視。

変わりに岩ちゃん誘ってやけ酒したの。
広臣には言わなかったけど、岩ちゃんから聞いたのかLINEが来てた。

"なんで無視？岩ちゃんと飲むなら言えよな。"

は？
自分だって女の子がいる飲み会のこと言わなかったくせに。

絶対無視してやる。