6 ページ24
.
「俺、実はこの間も見たんだよね。」
「...お前それ早く言え。何回目だよ。」
「いや、臣が機嫌悪そうだったからさー(笑)また今度でいいかなって。」
馬鹿か。
隆二、お前どんだけ俺といんだよ。
「あれ、絶対A狙いでしょ。」
「...。」
だろうな。
あの距離の詰めかた。
Aも仲良さそうにしてるし。
あー、無理。
「あの制服って確か...。」
「山王か。」
山王って言ったらそこそこの悪じゃん。
あの金髪頭、許さねえ。
「ちょっと、臣！どこ行くの？」
「え？Aのとこ。」
はあ？！
って廊下に響く隆二の声。
あー、俺、ダメだ。
校庭に出て、向かうは一直線。
「おい、A。」
『ん？あ、登坂。どうしたの？帰るとこ？』
「まあな。」
俺の声に振り向いたAと、その後ろから視線をよこしてくる金髪ヤロー。
絶対睨みで負けねーわ。
てかこいつA狙い確定じゃん。
Aの腕をガシっと掴んだのを見て本気でイラついた。
「お前、山王だろ。何の用？」
『登坂、何その言い方。』
なんで？
そいつの事、かばうんだ。
コイツ、誰？
って金髪頭が言うから。
もういいや、言っちゃえ。
隆二の臣！って声が後ろから聞こえたけど、
なんかもうどうにでもなれって感じで、
頭に血が昇ってて、
Aの腕を掴んで、そいつから離して。
俺の腕の中にすっぽり入ったA。
え？って小さく聞こえたけど、
もう離せない。
「Aは俺んだから。」
は？って笑ったそいつと、え？ってなってる隆二と。
真っ赤になったAが俺を見上げてた。
「お前にはやんねーよ。」
やっと気持ちを伝えた。
こんな形だけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 272人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆめちゃん | 作成日時：2020年2月25日 22時
