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微熱1 ページ1
「顔赤くない？熱でもあんの？」
この男。
なんの気無しにこんな発言と共に、平気で手の平で私のおでこに触れた。
あ、冷たい。
当たり前だけど大きい。男の手だ。
この手を握り返せたら、
この優しい微笑みが私のためだけのものなら、
どれだけ幸せなんだろう。
なんて、考えてる私って。
やっぱり熱でもあるのかな。
「ちょ、やめてよ。」
「は？」
不快な表情に変わったのを確認して、ちょっと安心するなんて。
「お前なんか涙目になってね？やっぱり熱あんじゃん。」
「ないってば。」
泣いてやるもんかっ。
ペチっと良い音を立てた広臣の手は、
私の望みとは遠くおでこから離れた。
いや、私が叩き落とした、とでも言うのが正しいかも。
その手で抱きしめられたら。
なんて、
ただの私の妄想の話。
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作者名：ゆめちゃん | 作成日時：2020年2月25日 22時
