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ジフンくんから初めてメールが来たのは高校2年生の時の春。
家に帰って夕食をとって、「ああ、課題やらなきゃな」とケータイをいじっている時だった。
” これ、Aさんの？”
簡潔な一文と共に送られたブレブレの写メール。
写真に写っていたのは、私の机にぞんざいに置かれた私の筆箱だった。
これが、最初のメール。
そこからは毎日のようにメールでのやり取りが続いた。
” 明日の予習どこまで進めた？” とか ” 小テストの範囲教えて ”という業務的な会話から好きな歌手や部活の話まで幅広く話した。
LINEみたいな既読未読問題なんて当時のガラケー時代は何も関係なかったからジフンくんからメールが来てすぐ開いて読んで、「すぐ返すのもなんだか構えていたみたいで引かれるんじゃないか」と思い敢えて15分間隔を空けて返したりしていた。
ジフンくんから来る着信音をジフンくんがお気に入りだと言っていた曲にしたり、レンタルショップで借りたCDは全てジフンくんの好きな歌手だったと気付いた時に「あ、これが恋なのか」と同時に気付かされた。
初恋だった。
学校では一度も話したことがないのに、たかがメールという文字だけのやり取りだけなのに。
だけどそっけないながらにちゃんと返事を返してくれるところとか、絵文字は使わないけどたまに「(笑)」を使うところとかを知ってしまうと、学校でのちょっとした仕草にドキリとしてしまったんだ。
あの綺麗な指で私へのメールを打ってくれているのかな、と思うと身体中の血液が沸騰してしばらくは顔を上げれなかった。
私にはスニョンという男友達が居たけれど、ジフンくんが女子と話している所なんて3年間一度も見なかった。
だからということもあって私はジフンくんに対して優越感というものもあったし、このままの幸せな関係が続くと思っていた。
いや、だいぶ嘘。
いつか、お付き合いがしたいと願っていた。
『あれー？送れない』
ジフンくんとのメールでのやり取りが始まってから約半年。
外から吹き出す風は刺す様に冷たくて、みんながカーディガンを羽織り出した頃だった。
ケータイの調子が悪くなってきた。ジフンくんに返事を送りたいのに、
” 電波が弱いため送信ができません。”
と返されてしまう。
早く送りたいのに、今日あった友達との出来事を早くジフンくんに送りたいのに。
結局電波が復活してジフンくんに送信できたのは夜中の1時頃だった。
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なの - バーノンちゃんのお話、ほんとに読んでてびっくりしました。この夢主、わたしと全く同じです。すごい。リアルです！ (2022年2月9日 1時) (
レス) @page24 id: bda0f2330f (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 占ツクの中で一番好きなお話達です。感動しました。 (2021年9月28日 7時) (レス) @page42 id: 76193ae0c0 (このIDを非表示/違反報告)
ににに(プロフ) - 人生の中で一番今日きゅんきゅんしました。なんか恋愛ってこういうもんなんだーって思わされました笑sumiさんの小説大好きです。 (2019年8月31日 5時) (レス) id: 7eaeb151a5 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ - 凄いですね！短編集でこんなに胸がときめいたのは、初めてです！！違う話も楽しんで読みますね( *´艸｀) (2019年2月22日 18時) (レス) id: 3acae59cc9 (このIDを非表示/違反報告)
sumi(プロフ) - すずさん» こんばんは、コメントありがとうございます！悲観的恋愛論を覚えてくださっていた事に心から感謝致します…ありがとうございます。近いうちに悲観的恋愛論を出させていただきます。本当にありがとうございます。 (2018年6月25日 23時) (レス) id: b03fdb00c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sumi
| 作成日時：2018年3月12日 14時
