5年目はじっこアイドル

24 HS ページ25

『本当にカムサハムニダ…』



Aさんは韓国語があまりわからないみたいで日本語と韓国語が合わさっている。


ケータリングの時は英語もプラスされていた。

一生懸命伝えようとしている時の彼女は見ていて微笑ましかった。



HS「ケンチャナヨー」


『け、けんちゃなよ？』



あ、わからないのか！



HS「ダイジョブですよ！！！！」



彼女はティッシュを使い切ってしまい、鼻をかめなくて困っていたらしい。

ルナさんからもらったけれどまあいいよな。

本当に困っている人に使った方が良いし。

Aさんの隣に座っているんだけど…


すごくいい匂いがする。

香水？ではないな… なんか、自然な匂い…

って俺すごく変態みたいなこと考えちゃってる！！！Aさんもすごく気まずそうだし…




なんかAさん、ぶつぶつ言っている…？



『SSMさんが下まで降りてきてくれなければ私はどうなっていたんだろうか…SEVENTEENのSSMさんありがとうありがとう…』



SEVENTEEN の SSM さん…？


俺、名前勘違いされている…？


でもなんかSSMって名前、なんかかっこいい！！！


どういう意味なんだろうなあ！！

と考え事をしていると急にAさんが立ち上がった。


どうしたんだろうと見ると彼女は少し躊躇って、そして何かを覚悟したように、



『あの！！本当にカムサハムニダ！でした！！スペシャル…賞…？おめでとうございま…あ、いや…コングラチュレーション！！シーユーネクストタイム！！！！！』


と身振り手振り付きで話し、深くお辞儀をしてドアに手を掛けようとした。



そのまま見送ればいいのに、いつもの俺ならここで


カムサハムニダ


って返して見送るのに



気付いたら俺は
「winc、とてもすごかったです」
と言っていた。



すると彼女は驚いた様子で振り返りこっちを見た。





HS「あなたはがんばっています。ペンのためにがんばっています。ぼく、かんどう、しました。ネクストタイム、シーユー」




あなたが努力してるのを気付いたよ、だからまたAコンで会おう、




この言葉を日本語で表現することは出来なかったけれど


彼女に届け、そう願って話した。






伝わったかな？そう思い彼女を見ると、
彼女は心から嬉しそうに微笑んだ。


俺も彼女の笑顔を見ていると俺の口角も自然と上がっていた。

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