5年目はじっこアイドル

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16歳の時にwinc新メンバーオーディションに受かった時はすごく嬉しかった。


歌って踊ることが大好きだったから。


自分が小学生のころから大好きで憧れの存在であったwincに入れるなんて信じられないくらい幸せだった。




だけど入ってから気付いたんだ。

自分は"普通"の人だった、ということに。



元々ダンスも歌もレッスンなんて受けてこなかった私には地獄だった。

周りはダンスも歌も完璧、先輩たちのペースについていき自分の魅せ方も分かっていた。


当然私は周りについていくことで精一杯。

"ミスをして目立ってはいけない、wincの名を汚しちゃだめだ"

そんな思いで5年間過ごしてきて得られた実力は 何の特徴もないダンスと歌唱力。




年に2回の全国ツアーに4か月ごとのシングル発売、週に2回のラジオ収録…

加入当時は忙しくて死ぬかと思ったけど5年たった今は慣れた"つまらない習慣"となっている。

wincファンも毎回同じ内容のwinc活動に対して少し 飽き を感じているように思えていた。





毎日寝る前に思う。


このままでいいの…？

でもセンターじゃない私なんかが言えることじゃない…

たぶんこのまま卒業まで過ごすんだろうな…







そんな考えがあのイベントで、あの出会いで



ガラリと変わるなんて



この時は思いもしなかった。








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