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田中「もうすぐ里見先生が来るそうです」
とある日の授業
里見が担当する授業のはずだが一向に教室に姿を現さなかった
この現状に田中含め生徒たちは不思議に思いながら待つだけ
川崎「なにしてるの?」
田中「ん〜…俺もちょっとわからないんだよね〜」
副担任すら知らない
Aが首を傾げたタイミングでウェディング姿の里見が入ってくる
「「…」」
確実に困っている生徒たち
田中も
それだけではない
後から同じくウェディング姿の原田と、タキシードを着た男性も後ろから入ってくる
東条「…え」
『…何の時間だよ』
原田「A、黙りなさい」
『…、チッ』
田中「A、」
原田「良いのよ。はい!今から里見先生の授業参観を始めます」
原田の言葉を聞き、里見は教壇に上がる
父親を見つめて息を吸った
これは生徒の授業というより教師メインのような、と早くも飽き始めるAは窓の外を見る
里見「それでは授業を始めます。今日は世界史の授業ではありません。“私”の授業です。」
田中「“私の”?」
里見「私の両親は私が生まれたことが唯一の幸せで、絶対に幸せになってほしいと願って今まで尽くしてくれました。私のために幸せを用意していてくれたのです。2人が用意してくれた幸せを辿ると、いつも嬉しそうなんです。」
生徒たちはこの状況にまだ多少の謎を持ちつつも話を聞く
里見「それを見ると私も嬉しい。だから2人を安心させることが私にとって幸せだし、辿ることも。実際にそこそこ幸せでした。でも、ある時から用意された幸せが私にとってだんだん‥‥
幸せに感じなくなってきたのです。
まぁ、そもそも別の人だし。幸せの基準が違う。だから「これがいい」「あれがいい」という事を聞いても幸せとは関係がなくなっていって、その時芽生えた気持ちが「まぁいいや」でした」
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作者名:苺 | 作成日時:2022年3月30日 18時