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「もうあたし今日あの子の対応出来ないわ。難しくて。明智、頼んだわよ」と原田は言い残して
他の生徒たちと父親を連れて先に帰った
さっきまで騒がしかったこの空間に残る明智とA
何故か首の後ろを痛そうに触るAは明智の方を見ない
先ほど生徒たちの最後尾について、どさくさに紛れ帰ろうとしたAだったが
原田に子猫のように首の根を掴まれ中へ戻されたのだ
移動はしたものの明智の元には近寄らないA
明智自ら近寄った
明智「…、なんか、ごめん。変な距離取ったり、色々と巻き込もうとしたり、…酷い態度取り続けたし。
…、1人にしてごめん」
『…』
明智はAを見た
だが一向に見てくれない
一点を見つめて何も答えないまま立っている
明智「…A、あのさ…、Aも1人で苦しいし辛いって、分かってたのに距離取った俺が悪いってわかってる。けどさ、…やっぱり。俺が支えたい」
明智は力強く、Aが醸し出す冷たい空気に飲み込まれないように負けないようにそう言った
明智「…、昔みたいに、また普通に過ごしたい。…もういっかい。俺と付き合ってくれない?」
その言葉をAに伝えた瞬間
ずっと明智の方を見なかったAは物凄い勢いでバッと明智の方を見る
その表情は喜んでるわけでもなく
驚いてるわけでもなく
なぜか
なぜか、不安そうな顔をしていた
まだ明智の父親の件が解決したと思っていないのか
半信半疑だからまだどこか怯えているのだと明智は思ったが
どうやら違うらしい
明智「…A?…どうした?…」
『…』
何を隠しているのか
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作者名:苺 | 作成日時:2022年3月30日 18時