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あの日の揉め事以来、家庭内は暗かった
明智は憂鬱でナイーブな感情を胸に抱く
中学校から自宅に帰宅した明智の机の上
そこにひとつの封筒が置いてあった
母親の文字で「秀一へ」と
そう書かれてある
それともうひとつ。その隣に何も書かれていない封筒
明智は自分の名前が書かれていた封筒から開けた
中身を確認すると二枚の手紙
「いつか絶対迎えに来るから」
そんな言葉を含めた文が綴られてある
明智が暮らせる環境が出来たら迎えに行く
その証拠に新しい住所が記されてあった
名前も何も書かれていない封筒には大量の10,000円札
それを持って
明智は迎えに来られる前に自ら母親のところへ行こうとした
早くこんなところから逃げるんだ、と
救ってくれる母親の元へ行くんだ、と
そう希望を持って信じて振り返る
だが、もう遅かった
行く手を阻む父親の姿
目の前に現れたのだ
明智が持つ手紙を奪い、内容を目にしている
それから何も言わずにどこかへ向かう準備をし始めた
明智「ちょっと待って…、どこ行こうとしてんの」
父「わかるだろ、新しい男作ってんだぜ?勝手に」
そんな父親に明智はなんて返そうか戸惑う
母親が出てったのもあんたに責任があるんではないかと思っていたからだ
そんな時目の前の父親があっ、と閃いたような表情に切り替わる
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作者名:苺 | 作成日時:2022年3月30日 18時