あなたとてちの物語

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Aside






目を覚ますとかれこれ1時間以上経ってしまっていた。






『やることやんないと』









そう思いベッドから身を起こした時






ガチャ＿









誰かが帰ってきた









『！？.......おかえり』





平手「ただいま」






相変わらず声は冷たくて低くていつからこんなふうになってしまったんだろう。









友梨奈は帰ってくるとソファに座りスマホをいじる








ふと何かを思い出したように目線を上げた







平手「わたし、昨日誕生日だった.......んだけど」






『うん』





平手「いや、うんって。LINEぐらいくれても良いじゃん」




『そうだけど』



LINEより良いもの用意してるよなんてのは言えない






もう賞味期限が切れている




あのケーキは








平手「忘れてたんじゃないの？」





『忘れてないよ』





平手「.........もういいや。」




と呆れた顔でキッチンの方へ行き冷蔵庫を開けた









平手「.................あ」






『.................』





平手「これ.........私の？」





『もう賞味期限切れてるから明日ゴミ出ししとく』





平手「買ってくれてたの？」





『.........』





平手「わざわざ私のために？」





『.........』





平手「私が病院行ったから食べられなかったんでしょ？」





『.........そうじゃない。勝手に買った私が悪い』





平手「これどこで買ったの？.........仕事終わりに買ってくれたの？.........いくらしたの？」






友梨奈を冷蔵庫の前からどかしてケーキを出す





『もう良い？捨てなきゃいけないんだけど』





平手「.........いや」





『準備しないとでしょ？明日の朝出しに行くんだから』




平手「ねえ.........やだ。食べる」





『食べられないの』




平手「食べる.........絶対食べる」




『ダメ。お腹壊す』





平手「.................」





『分かったから。でもケーキはダメ。.........はい。ゼリーでも食べといて』



といって友梨奈の好きなオレンジゼリーを渡した




平手「.........」

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