あなたとてちの物語

〇 ページ18

平手side

私がそう問いかけると腕をまくり始めた


平手「え？」

『これ』

あざだらけだった


傷ばっかりで


目を背けてしまうほど



『お母さんに暴力振られてたの』

『お父さんは優しかったんだよ？でも、気強いお母さんに負けて離婚した。守ってくれるお父さんも居なくなって、毎日ご飯もなくて、お母さんはパチンコとか夜遊びに行っちゃうし........ずっと1人だった。........お母さんが出かけて行ったのを見計らって外に逃げたの。夜遅くだったから警察の人に見つかって保護されて。訳を話して傷を見せたら納得してくれて。保護施設に入った。でも全然楽しくなくて。.......精神的に辛くなって。怪我とかも治すために病院に来た。..これ。自分から話したの初めて』


考えられなかった


酷すぎて


見てらんなくて


どうしようも出来なくて


もがいてるのに


声にならない叫び声を上げているのに


誰も気づいてあげられなくて


涙を必死でこらえてるその姿を見て


耐えられなくて


『辛かったんだ〜...』


わざと作ってる笑顔を見るのが辛くて


思わず抱きしめた


平手「ごめんね.........」


『何で謝るの？』


平手「そんなこと聞いちゃってごめんね。辛かったね」


『どうしたの？』


平手「こっちまで辛くなっちゃった。.........ごめん。先に泣いちゃって」


そう。話を聞いてるうちに私が涙をこらえきれなかった


平手「大丈夫。もう私が居るから。もう私が見つけたから。守るからね。」



『.........』


泣きそうな.........


小さな声で言ったのはこんな言葉だった



『見つけてくれてありがとう.........』


平手「.........うん」


気が済むまでずっと抱きしめて頭を撫でてた


本当に可愛くて愛おしくて


あ、良いこと思いついた


平手「ねえ？」


『？』


平手「私の家来なよ」


『え？』


平手「退院したら。お家あるの？」


『ない。』


平手「来ちゃいなよ。一緒に住もう？」



『.........』



あ、嫌だったかな


平手「ごめん。嫌だった？」


『ううん。嬉しくて.........声が出なかった』


平手「じゃあ、来る？」


『うん』


平手「笑.........あ、名前.........」


『あ、AAです。14歳』


平手「14歳！？大人っぽい...あ、私は平手友梨奈」


『なんて呼べばいい？』


平手「てち」


『てち？』


平手「そう。メンバーに呼ばれてる」


『なんでてち？』


平手「説明すると長くなる笑」


『笑笑何それ〜』

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