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宍戸とジレンマ ページ24

※切恋注意、東京喰種パロ


喰種とは……
群衆に紛れ、ヒトの肉を食らう。
ヒトの形をしながら、ヒトとは異なる存在。

人類にとっての天敵だ。

………
……



「Aか……?」

休日のショッピングを楽しんだ帰り、後ろから声を掛けられて振り返るとそこには中高を共にした宍戸君がいた。

白いコートに高そうなアタッシュケース。昔のように、高い位置で括られた長い髪

「久しぶりだね」

笑顔で手を振って近づけば彼もそうしてくれた

最後に会ったのは、高校の卒業式だっけ。

「……元気か?」
「うん、元気だよ」

「そうか……」

「……」
「……」

気まずい空気が2人を包むのは卒業式の日、彼に思いを告げられたから。

「……捜査官、様になってるね、噂で聞いたよ?1等捜査官だって」

「実は昇進して上等捜査官だ」
「わっ。もっと凄いや」

彼がCCGのアカデミーに進学すると知っていなければ、彼の思いには答えていたであろう。

私はあの日、彼に答えなかった。
ずっと好きだったのだ。昔も今も
だからこそ邪魔をしたく無かったし、彼の信じる正義に傷をつけたくは無かった

私は喰種。人間を狩るもの
貴方は捜査官。喰種を裁くもの


「俺さ」

考え事の最中、先程とは違う声色で話を切り出されて心臓が跳ねた

「何?」

平然を装って応えると少しだけ距離を詰められる。ああ、私はこの雰囲気を知っている

「まだ、諦めてねえから」

真っ直ぐと見据えられた視線。心に風が吹いた気がした。

「……幸せ者だな私。不幸なくらいに」

「はは、なんだそりゃ」

宍戸君は少し寂しそうに笑った。

苦しかった。好きなのに、貴方のいる世界は私を受け入れてはくれない。
もしも共存が可能ならば、貴方の隣で生きたかったな。


それから少しだけ立ち話をしたが、不思議とお互い仕事の話や近況報告はしなかった。
昔話に花を咲かせるだけ、

まるで思い出に縋るように


私も宍戸君も、解散まで目を見て話すことはなかった。



宍戸とジレンマ



前から知っていた。
打ち明けてくれれば受け入れた。
だがお前は隠す道を選んだ
それはきっと、俺のため

お前と共に生きたい。だから今はその道を探している。

だがもしも、
それでも叶わないと言うのならば……


いっそのこと、



(俺の手で死んでくれ(お前になら食われてもいい))

(食べてしまえたら楽なのに(貴方になら殺されてもいい))

平古場は本気→←赤也の観察日記



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設定タグ:テニスの王子様 , テニプリ   
作品ジャンル:恋愛
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光華(プロフ) - 逆からのやつ感動です!!柳君だからこそできることかな?神ですね! (2021年3月11日 21時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Ö(プロフ) - 逆から読むのは凄すぎました!!! (2020年1月27日 23時) (レス) id: 0d992502c1 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 逆から読むのがわからないです…。理解力なくてすみません!!気になるので誰か教えてください! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2a82e997d1 (このIDを非表示/違反報告)
佐和(プロフ) - はじめまして。ろちこさんの作品にはまってます。がっくんのプロポーズ、笑いました。からあげwww逆ハ話も好きですが、誰か個人落ちの話をもっと読んでみたいです。更新頑張ってくださいm(._.)m (2019年8月18日 0時) (レス) id: 892b8d0726 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - ゼクシィじゃねーのが面白すぎたので日常会話で積極的に使っていこうと思います(^ω^) (2019年7月10日 19時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年4月17日 2時

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