跡部を振り回す(2/2) ページ22
「おいA、俺はオマケってことか?」
「あ、跡部君」
「跡部様!?」
その正体はやはり跡部君で、女の子達は一斉に、バツが悪そうに後ろへ下がってしまった。空いたスペースに跡部君がくい込む
「随分な例えじゃねえか。アーン?」
いきなりやってきたかと思えばどうやら私の例え話が気に入らないようで、眉間に皺を寄せる跡部君。一体いつから居たんだろう。聞いていたなら彼女達を説得して欲しかったな
しかしそんなことよりも、お子様ランチの旗がオマケと言われてはこちらとしても語弊がある
「跡部君、お子様ランチの旗は主役だよ」
跡部君はやはりテニス部の主役で、大切な存在なのだ。
「……ほう」
これには跡部君もご満悦のようで、彼の眉間は無事平和を取り戻した
「まあ私は退かすけどね」
「あ?」
「あ」
しかしその一言が蛇足だと気がついた時にはもう、跡部君の眉間は元に戻っていた。
「おい……旗はちゃんと持ち帰れ」
「うーん」
「欲しろ。旗からの命令だ」
「いらないんだよなあ」
「テメェ……!」
いる、いらないの水掛け論を繰り返しているうちに、気がつけば女の子達はどこかへ消えていた。ああ、何年何組の誰なのかも分からなかったな
「跡部君、これ以上は堂々巡りだよ。ファンの人達もいなくなっちゃったし」
声を掛ければしまった、と言った具合に頭を抱える跡部君
「……お前はマイペースだな」
「跡部君がそれ言うか」
棚上げな発言に少し不満を漏らせばポンポンと頭を軽く撫でられる
「ま、せいぜい気をつけやがれ。……大事が無くて良かった」
跡部君は少しだけ微笑んで、スグにその場を去って行った。
育ちやルックスが良いと苦労するんだな。
なんだか可哀想な跡部君に1人で敬礼をしてあげた
・・・
「テニス部のマネージャーやってるAって女うざくない?」
「絶対跡部様狙いよね」
「何で跡部様もあんな子許可したのかしら」
「いや……私達話してみたけど結構、悪い子じゃなかった……かも」
「……うん」
「跡部様も楽しそうだったし……」
私がファンクラブから公認を頂いたのはそれからスグのことだった
跡部を振り回す
(A、送ってやる。乗りな)
(わーい皆乗ろう乗ろう)
(ちょっばっ!乗るんじゃねえテメェら!ジロー降りろ!向日も便乗すんじゃねえ!宍戸お前もか!鳳ニコニコ着いて来るんじゃねえ!Aだけだ!おい!)
「お互い馬鹿やな」
「馬鹿ですね」
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光華(プロフ) - 逆からのやつ感動です!!柳君だからこそできることかな?神ですね! (2021年3月11日 21時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Ö(プロフ) - 逆から読むのは凄すぎました!!! (2020年1月27日 23時) (レス) id: 0d992502c1 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 逆から読むのがわからないです…。理解力なくてすみません!!気になるので誰か教えてください! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2a82e997d1 (このIDを非表示/違反報告)
佐和(プロフ) - はじめまして。ろちこさんの作品にはまってます。がっくんのプロポーズ、笑いました。からあげwww逆ハ話も好きですが、誰か個人落ちの話をもっと読んでみたいです。更新頑張ってくださいm(._.)m (2019年8月18日 0時) (レス) id: 892b8d0726 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - ゼクシィじゃねーのが面白すぎたので日常会話で積極的に使っていこうと思います(^ω^) (2019年7月10日 19時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年4月17日 2時