千石に宣戦布告 ページ1
女癖を直せとは言わない。いや本当は直して欲しい。しかしそれは彼の自由なのであって、付き合って1週間の彼女が規制するにはなんだか愛が重たい気がする。
だからせめて、異性に執着する彼の気持ちを分かる事が出来たら、私も気が楽になるのではないか
「って思ったの。あっくんはどう思う?」
「誰があっくんだ殺すぞテメエ」
校舎裏でいけないことをしているあっくんこと亜久津くんの隣に座って、今の悩みを打ち明けると至極迷惑そうな顔で睨まれた
「けど男癖悪くしようって思ってもどうやって行動すればいいか分からないし……」
「知らねえ。興味ねえ」
「あっくんは千石君のことどう思う?」
「女たらし」
「だよねー」
2本目を咥えたあっくんにキャバ嬢のようにライターを向ければ少しだけご満悦そうに、話を聞く姿勢を取ってくれた
「別れりゃいいじゃねえか」
「負けたくない」
「意地かよ。おもしれえ」
そんな話をしていれば、タイミングよく、千石君が現れた。
校舎裏にいた私にびっくりしたような顔をして、けれど悪いことをしている訳じゃないと分かり安心したように胸を撫で下ろしている
「二人が一緒にいるなんて珍しいね、こんな所で何してんのさ」
私とあっくんの前で同じようにヤンキー座りをする千石君に少しだけ、嘘をつこうと思った
「あっくんに告白」
「え"っ」
「千石君の浮気癖を理解するために、私もあっくんと浮気しようかなって」
「えっえっ嘘でしょちょっと亜久津!」
「……」
「え、無視なの!?」
即否定に入りそうなあっくんが、ここでまさかの無言ときたもんだから、千石君はマジに焦っていた
「じゃああっくん、これから宜しくね」
「亜久津と穴兄弟なんて嫌だぁぁあ」
「千石君はやっぱり死んだ方がいいね!」
山吹色の頭を蹴り倒して、次の授業は何かなあなんて考えながら教室へと戻る
と、その前に
「千石君のことは好きだけど、今私乗り換えキャンペーン実施中だから!」
ビシっと人差し指を向ければ、顔面蒼白の千石君はバランスを崩して尻もちをついた
千石に宣戦布告
「……さて亜久津、俺の言いたいことは分かるかな」
「るせえ、テメェの棚上げなんざ聞きたかねえ」
「ハア……念願叶って実現したAちゃんとの交際、まさか自分の悪癖が障害になってくるなんて……」
「ハッ」
「笑うな!言っとくけど、あっくんにAちゃんは渡さないからね!」
「揃いも揃ってうぜぇ」
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光華(プロフ) - 逆からのやつ感動です!!柳君だからこそできることかな?神ですね! (2021年3月11日 21時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka Ö(プロフ) - 逆から読むのは凄すぎました!!! (2020年1月27日 23時) (レス) id: 0d992502c1 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 逆から読むのがわからないです…。理解力なくてすみません!!気になるので誰か教えてください! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2a82e997d1 (このIDを非表示/違反報告)
佐和(プロフ) - はじめまして。ろちこさんの作品にはまってます。がっくんのプロポーズ、笑いました。からあげwww逆ハ話も好きですが、誰か個人落ちの話をもっと読んでみたいです。更新頑張ってくださいm(._.)m (2019年8月18日 0時) (レス) id: 892b8d0726 (このIDを非表示/違反報告)
くろかは(プロフ) - ゼクシィじゃねーのが面白すぎたので日常会話で積極的に使っていこうと思います(^ω^) (2019年7月10日 19時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年4月17日 2時