柳が面倒くさい:★ ページ8
私の彼氏は少し面倒くさい
「A、どこへ行く」
「友達と買い物だよ、遅くならないようにするね」
「その友達というのは女か?男か?」
「……」
平たく言えば少し重たい。束縛をされているわけではないけれど私の人間関係にやたらと干渉してくる節がある。
今日も今日とて靴を履いてさあ出発という時に見つかり詰め寄られた。
……普段普通にしている分には本当に良い恋人なんだけど、たまにへんなスイッチが入ってしまうのが困りものだ
「どうした、答えられないのか?」
段々と鋭くなる瞳は疑心の証拠。こうなってしまっては彼を安心させるモードへと移行しなければならない
「男だけど、赤也くんだから」
疚しいことはない、そう目で訴えた。
赤也くんは中学時代から蓮二と一緒に可愛がっていた後輩であり、その彼と遊ぶならば蓮二とて文句は無いはずだ。これ以上詮索されてたまるかとドアノブに手を掛ければ肩に掛けていたバッグの紐を掴まれる。
振り返るともっと鋭くなった瞳とぶつかった
「……何故友達と濁した。俺が知りえない奴ならば"友達”と総称するのも分かる。しかし赤也ならばその必要は無いハズだ」
「うっ」
うわ……面倒くさい!久々に入ってしまったスイッチに狼狽した。一生懸命言い訳を考えるも1度だってこの参謀様を言い負かしたことなどないのでそんな即興言い訳が通じるはずもなく
「お前が何かを隠している確率……」
「待って待って!分かった!言うから!」
あっけなく白状してしまう私。赤也くんごめんね、サプライズは失敗だよ。
実を言えば近づいて来た蓮二の誕生日に2人でサプライズを企てていたのだ。内緒にしようと頑張っていたがもう無理だ。1から全てを説明した
恐る恐る語る私に小さく溜息を吐く蓮二。
「……無粋な詮索だった。すまなかった」
「ううん、不安にさせてごめんね、行ってきます」
サプライズは失敗だけれど蓮二のためにプレゼントを買ってあげたい気持ちは変わらない、赤也くんも待たせていることだろうし早く行かなければ
「待て」
「……?」
しかし蓮二は私の腕を掴んで引き寄せると自分の胸へと閉じ込めた。間もなく耳元に口を寄せられる
「本音を言おう、お前が赤也と2人で出掛けること自体がシンプルに気に入らない」
「わあ」
柳が面倒くさい
「遅いっすよA先ぱ……って柳先輩!?」
「Aが心配だ。俺も同行しよう」
「うっわ面倒くさいタイプの柳先輩だ」
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くろかは(プロフ) - 「大事そうな話」が特に好きです!いや全部面白いんですけどね!!(*゚∀゚*) (2019年3月9日 11時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - びょるさん» 繰り返し失礼致します、続編に載せる予定だった四天宝寺プロポーズネタを急遽こちらで載せることになりましたので、ご連絡失礼致します!リクエスト本当にありがとうございました! (2018年4月17日 6時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - ふゆさんはじめまして!全てのお話に目を通して頂きありがとうございます!!お褒めの言葉まで!白石君程に融通の利くキャラはいません!書きやすさに重宝させて頂いてます笑。本当にありがとうございます、嬉しすぎます。これからも何卒、宜しくお願い致します! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 信玄さん» 信玄さんはじめまして!コメントありがとうございます!私もめっちゃ嬉しいです!続編でも何卒宜しくお願い致します! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 涼音さん» 涼音さんありがとうございます(><)続編でも何卒宜しくお願い致します!会員登録までっっ!本当にありがとうございます!仲良くしてくださいっ! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年3月6日 12時