幸村と真田:★ ページ22
これは一体どういう状態なのだろうか
「ねえ、打撲程度でこんな大所帯で行ったら笑われちゃうよ」
保健室への道のりの途中で足を止める。
私の右隣には幸村君、左には真田君。2人も一緒に足を止めてくれた。……心配してくれているのはすっごく嬉しいことなのだが、正直2人もいらないし、もっと言えば1人でも行ける
「真田、君は戻っていいよ」
「ぬ……しかしだな、この怪我は俺の責任であり、ケジメはつけさせて貰わねばならん。幸村こそ戻ってくれ」
抗議を出してみても2人はこの始末。確かに真田君のボールに当たったのは事実だけど、そんなに責任を感じる必要は無いわけで、幸村君も幸村君で部長なんだからコートには居てほしい
「ここは美化委員の俺に任せてよ」
「全然関係無いよ幸村君」
「Aはさ、俺に連れて行かれるのは嫌かい?」
「そんな目で見ないでよ」
幸村君の眼差しに負けそうになりながらも真田君を見る。
「その、だな……もしも傷跡が残ってしまうようならばその時は……お、俺が責任を」
「真田君そんな重く捉えないで!?」
駄目だ。コチラもコチラで中々に挙動が可笑しかった。
「愛が無い結婚に意味なんてあるのかな」
「幸村君も掘り下げないで!?」
「愛を育むことも、不可能では無い……」
「張り合わなくて大丈夫だよ真田君!」
打撲よりも頭が痛くなってきた。普段大人っぽいと思っていた2人でも、こうして可愛らしいやり取りをするんだなと面白さはあるのだが、正直仕事も残っているし早いところ処置を施したい所である
「やはりか」
そんな私達の所に現れた参謀様。
「柳君!?どうしてここに」
「お前達3人が行動を起こせば高確率でトラブルになり得るからな」
「ふふ、流石だね」
確かに凄いけど笑ってる場合じゃないよ幸村君。三強がここに揃ったという事は今テニスコートは無法地帯だよ。皆はしゃいで鬼ごっことかしてなきゃいいけど……
柳君は私達3人の状態を見回す
「一体何に手間取っているんだ?」
柳君の問いかけに、説明の難しさに首を捻る私。代わりに幸村君が口を開いた。
「ホラ、俺も真田もAのこと好きだから、怪我ってなって焦り過ぎたのもあるけど、色々揉めたりもして立ち往生してたんだ」
「え、なんか嬉しい」
「……否定はせん」
「ありがとう?」
柳君は呆れたように笑っていた
幸村と真田
「はいじゃあ冷やすね」
「いやここは俺が!」
「もういいから!」
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くろかは(プロフ) - 「大事そうな話」が特に好きです!いや全部面白いんですけどね!!(*゚∀゚*) (2019年3月9日 11時) (レス) id: e34a9a5e9f (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - びょるさん» 繰り返し失礼致します、続編に載せる予定だった四天宝寺プロポーズネタを急遽こちらで載せることになりましたので、ご連絡失礼致します!リクエスト本当にありがとうございました! (2018年4月17日 6時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - ふゆさんはじめまして!全てのお話に目を通して頂きありがとうございます!!お褒めの言葉まで!白石君程に融通の利くキャラはいません!書きやすさに重宝させて頂いてます笑。本当にありがとうございます、嬉しすぎます。これからも何卒、宜しくお願い致します! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 信玄さん» 信玄さんはじめまして!コメントありがとうございます!私もめっちゃ嬉しいです!続編でも何卒宜しくお願い致します! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
ろちこ(プロフ) - 涼音さん» 涼音さんありがとうございます(><)続編でも何卒宜しくお願い致します!会員登録までっっ!本当にありがとうございます!仲良くしてくださいっ! (2018年4月17日 2時) (レス) id: 7838910af6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろちこ | 作成日時:2018年3月6日 12時