○ 蝶 ページ28
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───あれからルイ達はロボロのジープに乗せられ、夜市から離れ、第3地区桜ヶ丘安全区域に来ていた。ロボロが縄張りとしている一つの区域らしく、顔パスで奥に通される。普段店を出している場所なのだろう、勝手が分かっているのかズンズンと進んでいき、ランプに火をつけ、そのままソファに腰掛け、怪訝そうにルイの抱えている子どもを指さした。
「⋯⋯でさァ、気になっとったんやけどその子どもはなに？」
「⋯⋯えっと、檻の中にいて、か、可哀想で、連れてきました」
「可哀想？！！！ そんなしょーもない理由で連れてきたんか！？」
きっもちわるいなぁ！！！っともの凄い勢いで吐き捨てるロボロはこくりと頷いたルイにゲェと露骨に嫌悪感を示す。
「俺嫌いやねん。可哀想だとか気色悪い正義感翳して命の危険晒して仲間に迷惑かけるやつとか、映画の中だけにしとけや。お前のせいで俺ら待っとったん分かっとんの？」
「ルイちゃんはもうそういう子やからどうにもならんよ」
な、と真っ黒な瞳で笑う鬱はどこか不気味でルイは縮こまるしかなかった。迷惑をかけたことに間違いはなかったからだ。少女を抱き上げて、走り出したのはいいものの、ルイ達には逃げる足がなかった。このまま逃げ出していればゾンビの餌まっしぐら。しかしそれを駐車場でわざわざロボロたちは待っていてくれたのだ。(正確にはゾムに脅されて待たされていたが正しい)
「ショッピもなんでわざわざ協力しに行っとん、普段そんなことするキャラちゃうやろ」
「⋯⋯え、あーー、気分すよ気分」
「意味わからん⋯⋯。もうええわ、さっさと契約の続きしよ。あんまりお前らと長時間関わりたくない、特にゾムはな。俺は忙しいんや」
「そんな冷たいこと言わんといてくださいよォ」
「俺のつむじ押すな！！」
ゾム達は契約やら何やらでじゃれあっている、ルイは抱えた子どもを抱き直して、静かになれる場所に行こうとその部屋をそっと後にした。
「⋯⋯んあ、あの女に言うの忘れたわ。一人になんなよって、お前ら探しに行った方がええんちゃう？
犯 されるか最悪殺されるで」
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2020年8月5日 10時
