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「チーーッス！ ロボロ、元気？ 相変わらずダッサイ雑面やなぁ」
カリカリ、カリカリ、と何かを書く音が静寂に包まれた空間で浮き彫りになる。雑面を揺らしながら机に向かう男はゾムを一見すると深い溜め息を吐いた。
「で？ 欲しいモンはなに、さっさと言うて。最近は変な組織に付け狙われとるし、俺も暇じゃないねん。ゾムお前には借りがあるから今回はタダで独占させたけど次はもうないからな」
小柄な割りに男は冷たい声をしていた。ルイは一瞬雑面から覗いたショッキングピンクの瞳にびくりと肩を揺らし、視線を彷徨わせる。こういう時どうすればいいのかルイには分からなかった。
ちなみに鬱はぽけーっと虚無を見つめている。やることがないのだ。
ゾムはそれを聞くと「ハイハイ」と適当に返事をし、ロボロの差し出した紙を一度受け取り、目を通すと書き直してくれとまたロボロに返す。
「あ〜、ほしいっていうかいくつか触らせてほしいねん。マジこいつがほんま触るだけ、それだけでええ」
「⋯⋯は？ おまえ、それ、その男が武器を精製できるって言うてるようなもんやぞ。そうなったら対価は倍貰うで」
「あ〜そう考えるのが普通か、でもそんなチート
「は〜〜？ 舐めとんの？」
始まったのは対価の交渉だった。ゾムとロボロは淡々と己の出せる対価を出していく、しかしロボロはゾムの出した対価に不快だと言わんばかりに顔を顰める。
「そっちの対価が弱すぎる、こっちも商売でやってんねん。触らせるだけ言うても俺以外のとこの武器の品揃えなんてカスみたいなモンやしな。お前はやらかしとるし、他に頼るとこなんてないんやろ？ 俺はバケモノなんか別にどうでもええねん。
あ、どうせならその子も条件に入れてや。それなら触らせてもええかな、どうせゾムお前女買ってもすぐポイするやん。可愛ええからその子ほしいンやけど」
「⋯⋯エッ」
まさかの指名されたのはルイだった。どうもロボロはルイをゾムが買った女だと思ってるらしい、話を聞く限り前科ありなので疑われても仕方ないのだがゾムはどこか膨れっ面で
「悪いんやけどロボロォ、ルイは買った女でも何でもないで」
「ぁ゛？！」
ロボロは露骨にやらかしたという顔をした。
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2020年8月5日 10時
