○ お前は俺の光 ページ18
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ゾムはその光景に、ゾクゾクと血湧き肉躍る感覚がした。やはりルイはゾムの見込んだ通りだったのだ。ギブアップしたなら途中で助けてやろうとすら思っていたのに、ルイは独りで立って戦ってみせた。そんな彼女にゾムは己の目は間違ってなかったのだと、思わず笑みが溢れる。
「く、ふ、かハハッ！ やっぱり俺の目に狂いはなかったんや！ お前は俺の光やった！ おまえはッ、おれの！ 光やった！！」
疲れ果て、膝から崩れ落ちるルイの腰を抱いてぐっと顔を引き寄せその汚れた頬を撫でる。狂喜乱舞したその声にルイはただただぐったりとした様子で聞き流すしかない、もう光だとかなんだとかルイにはどうでもよかった。理不尽すぎる暴力や待遇にルイはもう慣れ始めていた。
「⋯⋯ぅ、っグ、げほ、ゔぇ、な、何でもするって言いましたけど、これはさすがにひどくないです、か」
「ええ！？ ひどないよぉ、俺はお前に俺の光になってもらうっていう願いだけのためにこうしてるだけやもん。それにこれはぜんぶぜーんぶルイの為なんやで？」
悪意のないその笑みはひどく無邪気だ。本気で彼はルイの為だと思ってやっているからこそ恐ろしい。
「なあ、ルイ。俺はな？ お前の死ぬ時は必ず傍にいたるから。お前の傍にいてその臓物を引きずり出して頬擦りして、泣きながらお前の死体にザーメンぶちまけたるから。
されたくなかったらちゃあんと生きてな、お前は俺の光なんやから。
これから先ずっと、ずっと眩しく、物凄く眩しく俺の目が潰れるくらい輝き続けてな。俺と約束して、まあお前が嫌がっても無理矢理約束するけど」
高揚したようにそう言いながらゾムはまたルイの頬についた血を指で拭う。それを聞いていたルイは顔を顰めて、それでこそ威嚇するような柴犬のような顔で「(なんで出会う人間みんなこうも頭がおかしいのだろう)」と心の中で悪態つく。
「⋯⋯やっとみつけた俺の光、」
おれを救ってくれ、とゾムは微笑んだ。
そんなゾムにルイは勘弁してくれと言いたげな顔をすると、おもむろに胸倉を掴んでその綺麗な顔に思いッきり額をぶつける。
ゴチン、という音と共に唖然とした表情で仰け反るゾム。
もうルイは我慢限界だった。
ルイは鬱と出会ってから暴力という名の荒波にもまれ、心身共に成長した。
そして学んだのだ。
暴力には暴力で対応しなければ、奪われるだけであると
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2020年8月5日 10時
