【!】終末の嗤い方。Ⅱ (ページ11)

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　バチバチと睨み合う二人の下で首を軽く押さえつけられながら遠い目をするルイの心情を語るなら「(解放してくれ)」だろう。現にもうどうにでもなれ、と身を任せたルイのお腹はその場にいる全員の気の抜ける程のぐぅ〜という腹の虫の音を鳴らす。
　それをゾムと鬱はシラケたような顔をしてみていた。さっきまでのバチバチはどこいった、と言いたくなるくらいシラケたような顔だ。

「ルイ、お腹減ったん？」
「朝から何も食べてないですからね、そりゃあ」

「ルイちゃんなんかどんどん図太なってない！？気のせい！？」
「しゃあないなぁ、♡」

　鬱の言う通り、ルイは段々図太くなっていた。そうしなければ生きれないと分かってしまったからだ。やっぱりルイは染まりやすかった。

　───ルイの腹が鳴った事により、一旦休戦という形でご飯を食べる三人。もっもっと頬をふくらませて腹を満たそうとするルイはリスのようで終わる前の世界やったら普通に手ェ出しとったな、と鬱は一瞬思うが残念ながら終わった世界でも出していた。ゾムはそのいっぱい食べるルイの姿に感動したのか「もっと食べてええよ、いっぱい食べていっぱい大きくなって強くなろな」とニコニコ顔だ。
　そしてゾムは何を思ったのかまた首を絞めて苦しめてやりてえ！という気狂い丸出しの思考でルイの首に手を伸ばすが、それが届く前にぱしん！という音がその場に響いた。ルイが驚いて弾いたのだ。目を見開いて、「あ、すみません」と謝っている。

　しかしゾムは叩かれたことよりもその反射神経に感動し、出会った時のように爛々と目を輝かせていた。

「ルイ、ホンマにお前ええなぁ、最高。さすが俺の光や。反射神経とか悪ないし、あの時のタックルもビビッときててん！ルイは鍛えたらちゃんとまともに戦えるようになると思うねんな！だからこれから俺がじきじきに鍛えたるわ！！」
「え？」

　え？という顔は鬱も一緒だった。鬱も鬱で相当クレイジーな筈なのだがどうにもこうにもゾムという男がクレイジーを超えるクレイジーなので二人とも追いつけていない。

「ルイ、俺の光、絶対に簡単に死なせたりせんから安心してな」

　にやぁ、とわらうその顔はひどく不気味で

　そのペリドットに映るのは執着だった。

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