星空サイダー【Alan】 (ページ47)

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翠「亜嵐くん本当にAちゃんのこと好きなんだね、なんか妬けちゃうなー(笑)」

『いや……すごく恥ずかしいです』

翠「……亜嵐くんのこと好きだったんだけど、入る隙がなさそうだね？」

これだ、この間と同じ笑顔。

なんて返していいか分からなくって

翠「ごめんね、怖がらせちゃった？わたしだって人のもの取ったりしないから安心してよ(笑)」

『いいえ……』

振り絞って出た声は少しかすれていて

その笑顔がとても怖かったし、全然安心できなかった。

目の前のレモンスカッシュの残りを飲み干す。

『……すいません、勉強しなきゃいけないんで帰ります』

翠「そっか、残念。またね、Aちゃん。お話できて楽しかった。あー、お金いいよ誘ったのこっちだし」

『いいえ、払います』

この人に借りを作るのは嫌で自分の分はきっちり払って店を出た。

亜嵐くんの彼女はわたしなのに、好きだって言ってもらえてるのに

なんでこんなに苦しくて、悔しくて、つらいんだろう。

あの時のわたしの勘は当たっていて

こんな気持ちになるなら亜嵐くんのバイト先に行かなきゃよかったし

翠さんのことなんて深く聞かないで知らなければよかった。

そして、のこのことカフェについて行くんじゃなかった。

翠さんの気持ちを直接聞いてしまった以上

亜嵐くんとふたりでいられるのが不安になる。

でもまたそういう話したら嫌われるんじゃないかとか

愛想尽かされるんじゃないかって思うと我慢するしかないのかな？

この感情のやり場に困ってしまって

帰ってから勉強も手に付かず

せっかく買った本も開かずに一日を終えた。

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